生命誌について
2019.12.10
ハトの気持ち
ミッキー
ひょんなことから、近所の公園で一人でお弁当を食べることになりました。桜の頃には人出で賑わうこの場所も今日はジョギングする人が一人だけ。右手の方にはネコが三匹のんびり日向ぼっこ。しばらくした時、突然、左手の遠くの方からハトがまっすぐこちらを目掛けて駆けてきました。結構な距離を脇目も振らず“駆けて”きたのです。たどりつくと、彼女はゆっくりと地面をツッツキながら私の足元をうろうろしました。パンくずが落ちると素早く射止めました。そして今度は次のパンを待ってじっとしました。この時、彼女は私の方を見るのではなく、体の左側を私に見せるような体勢でいたので、私は彼女が遠くの方を見ているのだと思いました。その時、遂に次のパンが落ちました。彼女は瞬間的に反応しました。それは、パンが地面に落ちる寸前に射止めるような勢いでした。その反応の速さに、私は気がつきました。彼女は左目だけで私の手元を見ていたことを。誰もが両目で焦点を合わせて物を見るという私の日常の常識が崩れました。さらに驚いたことに、彼女は私が弁当を食べ終わるのを察知しました。私が片付けを始めるより前に、彼女は去り始めました。やってきたのと少し違う方向に、真っ直ぐに、今度はゆっくりと。振り返ることもなく・・・私は彼女の背中に、厳しい自然を当たり前のものとして生きる彼女の潔さと、少しの哀愁を感じながら見送りました。
追伸:NHKの「ブラタモリ」で宮沢賢治と花巻について放送してました。とても面白かったです。賢治は地質や火山岩、堆積岩が好きだったそうなので、噴火で牛が飛ぶのもなるほどな、です。「デクノボーの叡智」が届きました。また、楽しめそう。ありがとうござます。
2019.12.11
1. 中村桂子(館長)
小さな生きものとのおつき合いのお話、場面を想像できて私もハトさんとおつき合いしました(彼女なのですね)。
デクノボーはとても刺激的な本ですのでゆっくりお楽しみ下さい。
2019.12.13
2. ミッキー
館長にそうおっしゃて頂けて嬉しいです。そうなんです。自分でもよくわからないのですが、今回の彼女は迷うことなく彼女なんです。カマキリが彼だったように。