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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【0から1】

2019年4月26日

齊藤 わか

先日、初めて乾燥赤エンドウ豆、白エンドウ豆、ひよこ豆を水に浸し、じっくり煮てみました。煮上がった豆は、砂糖を入れなくてもおやつになりそうなくらい甘くて旨味があり、なぜ今までやってこなかったんだろうと思うほど。よし今度は白玉団子を入れて豆ぜんざいをつくろうと思ったのですが、その夢はまだ叶っていません。

表現セクターでは今、季刊生命誌100号の発行に向け、全員が全力で作業に取り組んでいます。この半年というもの、ある者は外の声を聞きに行き、ある者は紙を切って造作し、ある者は季刊誌のこれまでと改めて向き合い、ある者は3Fへ取材に行き・・・全員が、100号で何を伝えるべきかを考え、悩みながら動いてきました。

そんな折、郡司ペギオ先生の新刊『天然知能』を手に取り、「科学は0から1を認めない」とあるのを見て、「知りたいのは、どうやって『無』から『有』を生み出すかなのに!」と叫びそうになりました。科学に答えを求めるのは全くの筋違いだと分かっていながら、何も無いところから、どうやったらアイデアが降ってくるのか、心底教えて欲しかったのです。

あれから数ヶ月経った今、皆が手探りで動いてきた結果が少しずつ形になってきました。「0」から「1」になったと感じています。読者アンケートも実施したし、そもそも99号まで積み上げてきたのだから0じゃないでしょう、という見方もあるかもしれませんが、とにかく科学では認められない「0→1」が起こったと思うのです。それほど、昨年と違う形が見えてきていますので、ぜひお楽しみにお待ち下さい。読者アンケートでいただいた声もスタッフの体に入れ、心を込めてつくりました。入稿まであと少し、もう一度豆を煮て白玉を入れる日を夢見て頑張ります。

[ 齊藤 わか ]

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