展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【変わる楽しさを味わいたい】
2014年4月15日
先日、"季刊生命誌パネル"を当館展示ホールに設置しました。3月1日の東京出張展示に向け、約4ヶ月間コツコツと準備をしてきました。東京にて展示後、無事高槻でお披露目することができました。季刊生命誌パネルは次の文章からはじまります。
生命誌研究館の活動を広くお伝えする季刊「生命誌」です。0号は準備中の1992年に刊行、20周年特集号が79・80号になりました。研究館の活動は分野や方法を特定せず、自然・生命・人間に関わることは何でも扱い、発信の方法もできるだけさまざまにと思いマルティ2という考え方で始まりました。その考え方で取りあげた生きもの研究、研究者、様々な分野の方々のお話など、生きものを中心に置くとどこへでも広がっていくものだと私たち自身驚いています。だから生きものは面白いのですね。
季刊生命誌を始めて10年たったころ、A4サイズの冊子版から現在のカード型へ移行します。そして「愛づる」「語る」「観る」・・・「ひらく」という動詞で語り始めます。自然・生命・人間に関わるテーマという軸は変わらずに表現を試行錯誤の中で変えてきました。生命誌研究館20年、季刊生命誌カード型になって10年という区切りを迎え、現在、表現セクターでは新たな表現方法を模索しています。カード型を始めた12年前の2002年は、多摩川にアゴヒゲアザラシのタマちゃんが出現して世間を賑わせ、田中耕一博士と小柴昌俊博士が2人同時にノーベル賞を受賞した年でした。その頃は、パソコンやインターネットが一般家庭にも普及し始めていたという時代背景もあり、WEBと紙の両方で伝える現在の方法になったのです。では今はどんな時代なのでしょうか。生命誌という場にある表現セクターだからこそできることを見つけたいと考えています。あまりにも目をギラギラと光らせながら探すのではなく、楽しく、しかし真剣に話し合って見つけられたらと思います。すぐに変わることは難しいかもしれませんので、のんびりと待ってもらえたら嬉しいです。
ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボの小田さん曰く、クリエイティブなことをするには、座っていてはダメで、体を動かさないといけないと。全く同感です。今年はより一層、展示ホールや近くの商店街をうろうろする頻度が上がる気がしています。