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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【食草園がにぎやかになってきました】

2012年6月1日

有馬えり奈

最近は、お天気の良い日が続いていて、ふと周りを見回すと植物の生き生きとした姿を見ることができます。生命誌研究館の食草園も、冬の寒さを乗り越え、植物たちが元気よく育っています。食草園とは、人間が鑑賞するためだけの庭ではなく、チョウのために作られた庭です。チョウの幼虫は決まった植物(食草)しか食べないので、母チョウはその植物に卵を産まなければなりません。食草園には、食草や成虫のエサとなる吸蜜植物を種類豊富に植えているため、チョウの卵から成虫まで観察することができます。チョウを飼育して展示する放蝶園とは違い、食草園は研究館の外からチョウが訪れる庭ですので、毎日チョウに会えるとは限りません。いつでも会えるわけではないので、チョウが訪れると、誰かに教えたい!という気持ちでいっぱいになります。この、教えたい気持ちをたくさんの人にお届けしたく、表現スタッフ日記に食草園のことを書きました。

現在、食草園では、コバノランタナやマンネングサが花を咲かせており、ベニシジミやジャコウアゲハ、セセリチョウなどが訪れています。食草園のミカンの木では、卵からかえったばかりの幼虫が葉をもりもり食べて成虫になる準備をしています。ぜひ、チョウがたくさん訪れるこの時期に生命誌研究館へ一度お越し下さい。

また、生命誌研究館に来られた際は、入り口すぐの新展示「蟲愛づる姫君」や展示ホール中央の「共生と共進化」展でチョウの生命誌を読み解いた後で、食草園をご覧になって下さい。きっと、「見る」から「愛づる」へと、チョウの見方が変わるはずです。研究館に来ることが出来ない方も、ホームページのバーチャル展示チョウに関する過去のジャーナル記事をご覧になり、ふとした日常の中で生命誌を感じてみてください。

食草園の様子

中央のピンクの花(コバノランタナ)で、チョウが蜜を吸っているところをよくみかけます。

ミツバに止まるベニシジミ

ひなたぼっこをしていたのか、はねを広げたり閉じたりをくり返していました。

[ 有馬えり奈 ]

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