展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【同時多発的なお仕事】
週末は高槻でもぽかぽか陽気で、上着なしでも外に出ることができました。厳しい寒さが続いたこの冬も終わりに近づいているようです。春と言えば、出会いと別れの季節ですね。表現セクターでも新たなメンバーが加わります。それに向けて、私は日々のお仕事の整理整頓をしています。 表現セクターのスタッフはそれぞれ季刊『生命誌』の編集、展示・映像・グッズ制作、催しの企画などの科学を表現するお仕事を中心に、それ以外にも展示ホールの生きもののお世話などといった日々の仕事を担当しています。私も館内展示ガイドのとりまとめや、月に2回のホームページ更新、研究館グッズの管理などの担当です。どれもはじめは覚えることが多く、おそるおそるの手探りでしたが、数ヶ月も経つと自分の中で判断根拠が蓄積してきて判断に困るということも少なくなってきました。 ただ、一人の担当者が長い間、同じ仕事を取り仕切るとだんだんブラックボックス化してしまいます。ですから、新しいメンバーに仕事を知ってもらうという観点から見直して、ファイルにしてみました。すると、なんとなくやっていた事の意味を改めて問い直すことになり、やっぱり頭の中にあることを外へ引きずり出す作業は大事なんだと再確認するきっかけになりました。 日々のお仕事は一見、クリエイティブでないという点で、雑用と呼ばれてしまうこともありますが、その仕事を通して表現セクタースタッフのそれぞれの状況を把握することもでき、単に館の運営維持以上の大切な意味があると感じています。 もちろん、現在抱えている季刊『生命誌』の68号、69号の編集もおろそかにはできませんが、問い合わせの電話がかかってきたら、そちらに集中。うまく切り替えながら、同時並行の仕事が少しでも前へ進むように心がけています。そんな時にイメージするのが細胞内の分子たちが同時多発的にはたらいている様子です。細胞好きの私は、そんな状況が嫌いではなく、どちらかというと好きかもしれません。次の山場は3月中旬の季刊『生命誌』68号の発行です。もうしばらく、この忙しさを楽しみたいと思います。 |
[ 遠山真理 ] |