展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【やりくりする】
「生きもの上陸大作戦(仮)」展の企画を進める中でも、生きものに習いたいところがたくさん見えてきました。陸上は、水中では経験できない乾燥、紫外線、重力などのさまざまな過酷な環境にさらされます。「やりくり上手」な生きものは、今持っているものを少しずつ陸用に変えながら、最終的に陸地へと進出しました。例えば魚はヒレを四肢に変え、昆虫は付属肢を歩脚や翅などに変えました。陸上植物が、葉緑体を中心体の代わりに用いて細胞分裂するのもその一つです。このように、限りあるものを使って最適な形へともっていく生きものの工夫は素晴らしい!と感じてしまいます。人間の考えなら、新しい環境に慣れるために、あれもこれもと新しい機能をつけたがりますが、それでは続いていかないと思います。あるものを最大限に活用していく、そこら辺を見習って暮らしたいというのが、私の日常生活の秘かな目標です(要は無駄遣いをしないということです)。 | |
[ 板橋涼子 ] |