展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
バックナンバー
【おまけを終えて】
カードで取り上げた記事はインターネットでも読めますが、カードを申し込んだ方のみの特典が「生命誌のおまけ」。今年度は「他人のそら似を生む進化」と題して、異なる系統から似た形態を持つ生物種が現れる「収斂進化」をテーマにしました。企画・解説記事を私が担当し、「そっくりだけどちょっとちがう」というリクエストに応えて見事なペーパクラフトを作って下さったのはおなじみ図工室の坂さん。静かな人気?で、今年度の在庫は底をつき始めました。後からバックナンバーを申し込んだ方はすみません、、、。 ことの発端は去年の今頃。次のBRHカードの付録は何がいいか、「飾ってかわいく、あきないものがいいよね」とみんなで案を出し合っていた時、年末の外部研究者セミナーで長谷川政美先生が講演された哺乳類の収斂進化の話を思い出しました。提案は通り、言い出しっぺに役がまわって(よくあることです)、4回分の生物種(合計8匹)を楽しく頭を悩ませて選定しました。 実現していく過程でプランが変更することもあり、たとえば最初のオマケはイルカと魚竜の予定でしたが、同じ立体の左右半分ずつで表現しようとすると、垂直と水平の尾びれの組み合わせがいかにもアンバランスで没。サメと魚竜のペアに変更しました。他にも、鳥類の最新の分類体系についてアメリカ留学中の研究者にメールで教えてもらったり、丸ごとのタラバガニを求めて高級鮮魚店を回ったり(結局買えなかった)、日頃の取材活動とはまた違った面白さがありました。 さて最後に登場するオマケはまだ秘密ですが、ヒントは「子年」。資料写真を撮るために動物園の裏側まで入り込みました(合法的に)。発行日に欲しい方は、今月中に申し込めば間に合います。もちろん他の記事も魅力満載、お楽しみに。 | |
[ 山岸 敦 ] |