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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【名ジャンパーえんぴつ君】

中川智絵
 こんにちは。展示案内係の中川智絵です。ときどき肺魚の水槽洗いの仕事もしています。肺魚の水換えは3時間くらいかかる肉体労働です。でも、3時間も肺魚を観察できる貴重な機会でもあります。今回はあまり動かない方の肺魚、えんぴつ君(南米肺魚:レピドシレン)の知られざる運動能力と苦手なことを紹介します。
 普段のえんぴつ君は水槽の前で手を振ろうが、踊ろうが我関せずと言った感じで佇んでいます。ところが、掃除は嫌いなようで、掃除の邪魔をしにきます。なるべく触れないように私が逃げ回っているのですが、一度掃除道具と軽く接触したことがありました。えんぴつ君は相当おどろいたらしく、今まで見せたことのないスピードで泳ぎ回り、なんと、1mほどジャンプしました。全身が空中にでる見事なジャンプ!そしてきれいな着水・・・といく訳はなく、これまた見事な水しぶきをあげて水槽に戻っていきました。水槽の周りは水浸しでしたが、水槽の外に飛び出さなくて良かった、とほっとしました。
 えんぴつ君はバランス感覚は悪いみたいで、イナバウアーをして、水中で上下がわからなくなってパニックになる姿を見たことがありますが、実はすばらしい能力を秘めていたんですね。観察すればするだけ、色んな顔をえんぴつ君は見せてくれます。機会があれば是非、時間の許す限り眺めてください。あなただけのえんぴつ君が見つかるかもしれませんよ。ちなみにそれからというもの、私の掃除は慎重になり、えんぴつ君のご機嫌を伺いをしながらするようになったことはいうまでもありません。




 [ 中川智絵 ]

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