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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【脳は面白い】

2000年2月3日

 自分のことを知りたい。
と思った時に、みなさんは、何がわかると、ああそうなんだ、と思いますか?
 先日、脳研究の世界的権威の伊藤正男先生にお話を伺って、脳がなんとも見近に感じられました。
 脳という臓器の場合、私が今こうしてなまけごころがでてきたのは、脳のこの部分が働いていないのだから、もう少し働かせてみよう、とか、普段からこの部分を使うようにしていれば、役に立つんじゃないかという気がしてきたりして......当然ですが、遺伝子に比べて、はるかに自分に近い存在?なのだと感じました。
 小脳には身体の運動を統合する働きなどもありますが、記憶する機能もあるといいます。伊藤先生は、小脳の記憶の回路を実証するという画期的な仕事をなさった方です。
 それにしても、脳というテーマもその研究の世界も、ちらっと垣間見ただけでも、超ビッグ。もっとも自分に近い関心事が、もっとも難解なのですね。
 今でこそ、脳の時代などといわれ、関心が高まっていますが、伊藤先生の研究の歴史をお聞きすると、今となっては何でもない実験が、かつてはいかに大変だったか、実験の方法や技術の開発がいかに大変だったか、つくづく思いました。そして、そういうものの積み上げによって、ようやく、解明の糸口が出来てきているところなのです。
 脳は面白い、と私の脳も活性化したみたいです。その活性化したところを繋いでみたいと思いますので、みなさん、また、生命誌を見て下さいね。
[高木章子]

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