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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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ポーチュラカ いつも元気

2014年8月1日

蘇 智慧

梅雨明けの後、いきなり猛暑日が続き、夏ばてになりそうなところです。先月から家のベランダにある植物の水やりをすることになりました。はじめは忘れることが多く、気がついたらすでに瀕死状態になり、ついに枯れてしまったものもありました。しかし、中ではいつも元気に花が咲いてくれるものもありました。それはポーチュラカ(Portulaca oleracea)です。私はほとんど夜家に帰ってから水やりをするので、吊り鉢にあるポーチュラカはいつも花を閉じて、葉々もしょんぼりしています。保水能力があまりない吊り鉢なので乾燥しやすいからだと思いました。そこで毎晩水をやることにしたが、鉢中の土がまだ明らかに湿っているのに、ポーチュラカは相変わらず、私が帰る頃には花を閉じ、葉々が萎んでいます。何でだろうと思い、暫く水やりをやめて観察してみることにしました。その結果、鉢中の土が湿った状態から日に日に乾いていくが、ポーチュラカは毎日同様、夜になると花を閉じて葉が萎み、朝になると花が咲いて葉も元気になる、つまり土の乾燥のせいではなかったことが分かりました。また、観察している間に、ポーチュラカの花は毎日開いて閉じての繰り返しではなく、毎日新しい花が咲いていることも分かりました。後ほど、インターネットで調べてみると、これらのことは全部書いてあるじゃありませんか。ポーチュラカは暑さに強くて日光が大好き、夏の炎天下でもめげずに生長して、灼熱の中で毎日開花するので、夏花壇の定番として普及しているそうです。しかし、恥ずかしながら、私は植物について自分の研究対象であるイチジク属植物以外はほとんど知識を持っていないので、ポーチュラカのことは自分にとってはこの夏の小さな発見でした。発見は細かな観察から生まれ、先入観は発見を妨げる、こういったことを改めて感じました。これから夏本番ですが、いつも元気なポーチュラカのようにこの夏を乗り越えたいと思います。

[ DNAから進化を探るラボ 蘇 智慧 ]

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