研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【現象を1度は自分の目で見ておきたい】
2014年4月1日
近所のスーパーで今夜の夕食にと買った菜の花が、冷蔵庫の中でいつの間にか黄色い花を咲かせていました。春ですね。
先日、京都府京都市右京区にの北西部にある『愛宕山(あたごやま)』に生命誌研究館のメンバーと登山に行ってきました。実はBRHに来ての山登りはこれが2回目で,今年無事に博士号を取得したDNAから進化を探るラボの宮澤さんと表現を通して生きものを考えるセクターの有馬さんに、昨年11月に滋賀県の蓬莱山(ほうらいさん)に誘われたのがきっかけです。寒いのは嫌、と凄むあるメンバーのわがままで暖かくなった頃合いを見計らって出かけて来たのでした。
そもそも山や川に出かけるのは嫌いではなく、小さい頃は家族と地元群馬の赤城山や榛名山でキャンプをしたり、水芭蕉で有名な尾瀬にも何回か出かけたりしていました。ただ、一人でどこへでも思い立ったら出掛けられる人とは違い、自然は好きだけれども一人ではなかなか重い腰が上がらない…、そんなアウトドアに憧れるインドア派の自分にとってこの誘いは渡りに船だった訳です。
さて、何を目的に山に登るのか。「山があるから登るのだ」でも良いのですが、目的の1つは「自然の中で生活する生きものの現象を自身の経験として知っておきたい」と考えています。
ある程度生きものの生態は図鑑で調べればわかります。ただ、生物の生き方は時間とともに変化することもあるでしょうから、図鑑が今現在のことを正確に記しているかは分りませんし、何より人に説明するときに又聞きした情報をそのまま横流しにするのは味気ないし、少々後ろめたい。自身の経験と重ねることができたなら、少し自信を持って答えられそうです。
残念ながら愛宕山は三月下旬といえども山頂付近はまた雪に覆われており、チョウはまだ舞っていませんでした。運動不足気味の体に鞭打って登ったのに、と少々がっかりしましたが山を登り切った後のビールと焼肉は最高においしかったのでよしとします。「No pain, no gain.」という言葉を再認識したところで、今年度も研究と山に挑みます。