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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【目を逸らす】

岡本朋子  年明けからあっという間に3ヵ月がたち、2012年度がやってきました。桜の蕾が色を見せはじめ、日差しが柔らかく心地よくなってきました。私にとって4月は、本格的な調査シーズンがはじまる前の、ほんの少しだけ自分の時間を楽しめる貴重な期間です。なので、今回のラボ日記は完全に研究から目を逸らして書くことにします。
 春といえば皆様は何を想像するでしょうか? 桜、スギナ (土筆)、たけのこ、花粉症などでしょうか?私がまず春と聞いて思い浮かべるのは“潮干狩り”です。といっても、アサリを掘る潮干狩りではありません。干潮時の浜を練り歩き、石の下や砂の中にすむ生物を見つけては観察するものです。
 一年の中で冬から春にかけては、大潮期の干潮時に引きが大きく(潮位が低く)なります。一日の中でも、特に冬は夜の干潮時が最も引きが大きく、春は昼の干潮時に引きが大きくなります。というわけで春は、昼間に思う存分海の生き物と触れ合える季節ともいえます。
 今の時期は今年度の研究計画や野外調査の日程などを調整しなければならない期間でもありますが、ついつい気持ちは海に向かってしまいます。仕事帰りには毎日夜空を見上げて、月の満ち欠け具合をチェックしてしまいます。「研究材料以外の生き物も見て、観察力を高めないと!」という強引な言い訳を楯に、海産動物の図鑑をめくる手とときめく想いは止まりません。研究材料以外への浮気心も、たまにはいいですよね?

[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 岡本朋子]

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