研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【研究に対する姿勢】
新年を迎え、こちらのラボに移り半年以上が過ぎましたが、最近になってようやく研究テーマに必要な結果をいくつか出すことが出来ました。まだまだ私の研究テーマをまともな物に仕上げられる方向性が見えたに過ぎませんが、この調子で努力して何とか面白い発見が出来れば良いなと思っています。 研究テーマに対して自分のほぼ全ての時間を費やしていると、自然と研究テーマに愛着が湧いてきて、自分の研究テーマをたくさんの人々に面白いと言ってもらいたいという想いが強くなってきます。ですが、私のような理学部の学生の行う研究は工学部の方々の研究とは違い、産業に応用出来る等の誰の目にも明らかな価値を提供することが難しく、研究の面白さを表現しにくい部分があります。学部生時代も自分の研究テーマの価値について、学生なりにずっと悩んでいた記憶があります。しかし理学研究のフィールドからでも、2008年に下村脩先生がノーベル化学賞を受賞されたオワンクラゲのGFP(緑色蛍光タンパク質)の研究のような、後のあらゆる研究者が必要とするような発見もあるので、私も学生なりに様々な分野の研究動向を意識しながら自分の興味の対象の中で何か付加価値が提供できないか考えていきたいと思います。 また、自分の研究テーマの実用的な価値を模索する一方で、生物学は私たち自身の学問でもあるので、多くの人々の科学に対する興味のきっかけとして、研究テーマを通じてその価値を提供出来るとも思っています。ちなみに私の現在の研究テーマの目的は、簡単に言うと「なぜ人や昆虫などの動物はみんなこれだけ形が違うのか?」それを明らかにすることです。まずは魅力的なプレゼンテーションの方法から模索していこうと思います(プレゼンテーションは苦手ですが・・・)。 研究活動という物は独りよがりな物なのかもしれませんが、私は自分の関わる物は何でも面白くないと気が済まないので、自分の研究も自分の周りの世界も今よりもっと面白い物にしていきたいと思っています。1人の学生である私の研究活動なんて些細な物に過ぎませんが、そういった想いを持って、自分の周りの世界を意識しながら研究に没頭したいと思います。 現在、私のラボの先輩である金山さんが科学雑誌に研究論文を投稿するための試行錯誤をされています。論文投稿は研究の面白さを人に伝える大きなチャレンジの1つです。1年にも満たない私の研究テーマに対する想いと比べ、金山さんの5年近くの努力を費やした研究テーマに対する想いは相当な物であると思います。良い結果になれば良いなと思っています。 |
[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 西口茂孝 |