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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【チョウの食べ物】

2003年8月1日

吉田昭広

 チョウの幼虫(青虫、イモ虫,…)は自分たちの食べ物を決めています。モンシロチョウならキャベツやダイコンの葉、アゲハチョウならミカンやサンショウの葉、という具合です。私たちの研究室ではモンシロチョウを実験に使うことが多く、その幼虫を部屋(飼育室)の中で育てています。幼虫が小さい頃は市販のカイワレダイコンの葉などを食べさせてもよいのですが、大きくなって食事量が増えると間に合いません。そこで「人工の食べ物(=人工飼料)」を与えることになります。栄養成分等にモンシロの「好物」であるアブラナ科植物の葉の「粉」を混ぜ、寒天で固めて「ようかん」のようなものをつくって与えます。一般の方々に研究室を公開する折など、幼虫がこれを食べている場面を見ていただくと、結構興味をもって下さることがわかり、幼虫がいるときにはできるだけ皆さんにお見せするようにしています。

 以前は「人工飼料」をつくるためにキャベツの葉(ヒトが食用にしない、いちばん外側にある緑の葉)を集めてきて、自分で「粉」をつくっていました。これが結構めんどうだったのですが、数年前、「青汁健康法」の飲料用に、キャベツの原種「ケール」の葉を粉末にしたものが販売されているのを知り、それを取り寄せて使うようになってからずいぶん楽になりました。しかし最近、「ケール粉末」を取り寄せていた会社との連絡が、突然つかなくなってしまいました。「倒産」のようです。その後すぐ、「青汁粉末」を扱う新しい会社がいくつかできていることがわかり、今も購入できるのでまずは安心しています。私としては健康志向の風潮のもと、「青汁健康法」のますますの普及を願いたいところですが、社会の動きが実験に影響することがあるのは仕方のないことでしょう。




[チョウのハネの形づくりラボ 研究員 吉田昭広]

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