館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【クラス会がどうなるかな】
2011.4.15
近くクラス会があるので真剣に話し合うことになるのだろうなと思います。ここで思うのが時代です。敗戦ですべてを失ない、ゼロから出発して豊かさを求め、懸命に努力していた時を思い出します。私はその中で道を踏みはずし(と当時言われました)、一人だけ生物学などという役に立ちそうもない方へ進んだために、少し違う考え方をしてきたことは確かです。私なりの疑問を持ち、その発信をしてはきました。でもその時代を生きてきた一人であることに変わりはないのです。自分の生きてきた時代の活動を非難するだけでは意味がなく、体験を生かして考えを深めるしかないと思っています。 とくに今は、お金優先という価値が社会を動かしているので悩みます。皆で力を合わせて社会をよくしようという気持だけで動いていたことを思い、これほどお金優先にならなければ違っただろうにと思ったりもします。バブルの頃はきっと理1を出て金融業という人が多かったでしょう。 先回も書きましたように、現実の事故への対応は厳しくしなければいけません。なんとしてもこれ以上の災害にしないために、対応のまずさは指摘し、その解決のためにあらゆる知恵を結集しなければなりません。 ただこれは、私たちの生き方という重い問題をつきつけるものです。「生命誌」では「生きているを見つめて生きるを考える」という考え方をしてきましたし、それを続けることで新しい道を作りたいのですが。 【中村桂子】 ※「ちょっと一言」へのご希望や意見等は、こちらまでお寄せ下さい。 |