館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【桜の力】
2008.5.1
このように大当たりなら気持がよいのは当然ですが、はずれの時に皆が機嫌が悪いかというとそうでもないのが面白いと思うのです。残念でしたとは言いますが、怒る人はいません。「寛容」。自然が相手なら皆そうなれるのです。一方、機械は思い通りでなければ許せません。私も、コンピュータなどちょっとでも言うことを聞かないとすぐイライラしてしまいます。今の社会を見ていると「寛容さ」が欠けてきているように見えるのは(塀を高くするのもその一つかもしれません)、日常生活が自然と離れ、機械化していることに関係しているのではないでしょうか。花に対して持てる寛容さが人間同士でも持てる社会でありたいな。きれいな桜を楽しみながら思いました。 <追記> 生命誌研究館があるJTの構内も今年は桜がきれいでした。ここに建物ができた時に植えた苗木が15年たつとこんなに立派な樹になるのだと見上げながら、植物の力を感じました。今年初めて通り抜け(ベンチを置き、夜はライトアップ)を試み、7000人もの方が通って下さったとのこと、そのうち1200人ほどの方が研究館を訪れて下さいました。桜の力はすごい!です。 【中村桂子】 ※「ちょっと一言」へのご希望や意見等は、こちらまでお寄せ下さい。 |