館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【生命誌絵巻・欧米での評価】
2002.3.1
現代生物学がDNA研究を通してまぎれもない事実として明らかにしたこと。それは人間が生きものの一つであり、根っこではすべての生きものがつながっているということです。今では改めて言うまでもない状況かもしれません。人間は特別 という文化を持っていた欧米の人もそれをよしとする気になってきていることが生命誌絵巻に対する反応からよくわかります。ところが最近、DNAの研究が進んでくるにつれて、個別 の遺伝子への関心が高くなりました。そして遺伝子の違いが、性の違いや民族の違いや個人の違いなどにどう反映するかということが最も興味を引くところになってきたのです。「違うことを遺伝子で証明したがる病」が流行しています。生きものは遺伝子を持ち、そのはたらきで動いていることは確かですが、遺伝子で説明されるものではないでしょう。そう思いませんか。 ※「ちょっと一言」へのご希望や意見等は、こちらまでお寄せ下さい。 |