館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【知と美】
1999.1.15
このところ、少し憂うつです。一言で言うなら、人間に品格というものがなくなってしまったのではないか、世の中お金に振り回されて、人間にとって最も大切なことは何かがどこかへとんで行ってしまっているのではないかという気がするからです。 少し青臭く言うなら、知と美。自分で考える楽しさ、新しいことを知る喜び、美しいものに接する幸せを大事にしたいし、研究館の活動もそれで進めて行きたいと思います。 先回縄文時代の漆について書きましたが、これこそまさに知と美の融合でしょう。だから惹かれたのだろうと思います。科学も、芸術も、日常生活も、知と美を感じさせるものにしたい・・・そんな社会を願っています。 |