館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【生物学を開いたものに】
1998.6.1
話は横道にそれましたが、新幹線の中で読んだものは「Essential Cell Biology」。「細胞の分子生物学」を書いた若い仲間が、生物学の専門家でなく、文科系の人にも細胞生物学を知ってもらうことが大事だと、そのエッセンスをまとめた、元の教科書よりは薄くてやさしい本です。そこまで来ている。生物学自身、もっともっと開かれたものになる、なる必要がある、なると面白いという時代になっているのだと思います。この本も日本語にしようと思っています。本当は自分で書かなければいけないのですが、残念ながら、彼らに先を越されます。教科書づくりというところまで含めて、日本の力をもっとつけたいと思います。 |