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研究館より

ラボ日記

2024.11.15

科学の世界は平等

ドラマはあまり見ないようにしているのだが、最近唯一見ているのは火曜日の夜にNHKで放映している「宙わたる教室」だ。この1年の私の最大の課題である論文が書けていないことを知っている家族からの「書いたら」という視線を背に感じながら、今のところ欠かさず見ている。そして、予告編の時点で既に面白そうと思い、原作も買って読了済みだったりもする。そんなことに時間を使ってと、さらに言われそうだが。内容は、定時制高校に通う、バックグラウンドも生い立ちも年齢も異なる生徒たちが、実は優秀な研究者であるらしい数学(?)の教師からの誘いを受けて科学部を創設し、研究活動をしていくというものだ。(随分薄っぺらく書いてしまい申し訳ない。実際は科学の話にだけにフォーカスしたものではなく、もっと人間ドラマがあり面白いです。)先週(11/5)の回では、学会発表に挑戦しようという話になり申し込んだが、定時制高校からの申し込みは前例がないと断られるというところまでだった。

私が活動している科学の世界では、得られた知見やそれを得た活動を、平等に評価してくれると思っている。大学院に入った時に研究室の教授からまず言われたことは、1年目の新人も、有名な大教授も、同じ土俵で闘うのだよ、ということだ。早く同じ土俵に登れるように知識や技術を身に付けること。学生だからここまでで許してください、という訳にはいかないよ、と。厳しいようだが、反対に言えば、1年目の新人でも大きな発見をすれば、大きな発見をした人と認めてもらえるということ。多分それは真実だと思う。有名な研究室から投稿された論文は、有名な雑誌に掲載されやすいような感じも、もちろんないわけではないが。外国の雑誌に論文を投稿すれば、どのみち論文を審査する外国の研究者たちは私たちの名前を見たって、性別も年齢も立場も分からない。内容勝負だ。頭抜けた研究をしてしまえば、立場なんて、学校の名前なんて関係ないよ、と応援しながら、次回の放映を楽しみにしている。
 

動物の初期発生に興味を持ち、オオヒメグモを用いて研究しています。