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研究館より

ラボ日記

2024.05.01

変化の真っ只中

新たな年度が始まりました。新しい環境での生活を始められた方も多いことでしょう。生命誌研究館の研究セクターも3月で2つの研究室が閉じ、現在、一つの研究室の室長の公募を始めています。20年にわたり同じ研究室構成を引き継いできたので大きな変化です。

私の研究室もメンバーの出入りがありました。新たに2名の若いメンバーが加わり、実験の指導などで慌ただしくなっています。新人側から見れば、複雑な実験の手順、試薬や道具の保管場所、機器の操作など、覚えることばかりの大変な時期かと思います。早く慣れて自立的に活動できるようになってもらいたいです。

生命誌研究館では、受け入れている学生の数が多くないことから、なかなか、上級学生が後輩学生に教えるというサイクルが回りません。互いに教えあい、刺激しあって成長する側面があるので、人材育成の環境としては非常に残念で、このサイクルが回る程度の数の学生が常に研究室にいてほしいと願っております。今は比較的賑やかなのでもう少し学生に来てもらえると嬉しいです。大学院生の募集についてはこちらを見てください。

私の研究室では奨励研究員も募集中です。動物の形態形成の駆動に関わる細胞間接着の構造的仕組みが脊椎動物と無脊椎動物の間(正確には、脊索動物と無脊索動物の間)で異なることを証明したいと考えています。脊椎動物と無脊椎動物の違いを考える時、背骨があるかないか、出来上がった体の形に注目が行きますが、私たちは細胞の振る舞いを制御する接着の仕組みに根源的な違いがあると仮説を立てています。根拠となるデータが部分的に出てきていますのでぜひ若い研究者に力を貸していただきたいです。気軽にお問い合わせください。

生命誌研究館の研究セクターとしても、私の細胞・発生・進化研究室としても、今、変化の真っ只中です。よい方向に展開できるように頑張りたいと思います。

動物多様化の背景にある細胞システムの進化に興味を持っています。1) 形態形成に重要な役割を果たす細胞間接着構造(アドヘレンスジャンクション)に関わる進化の研究と、2) クモ胚をモデルとした調節的発生メカニズムの研究を行っています。