ラボ日記
2023.11.01
研究をしていて嬉しいと思う時
先日の30周年のイベントでの壇上談話会で、研究をしていてどんな時にワクワクするかと尋ねられました。あの時は随分緊張していたので、記憶も定かではないのですが、おそらく安易なことを口走ったのではないかと・・・。時々同じようなことを聞かれたり、また研究者同士で話したりすることもあります。やはり、ワクワク、ドキドキするのは、自分しか知らないことを知ってしまったと思う時でしょうか。天地がひっくり返るほどの大発見ではなくとも、何か真実に近づいたと感じる時、そのような心持ちになります。この研究が進展しそうとか、論文がまとまりそうとかいう邪な(?)考えはその次に現れること。もちろん科学者は論文を書き、発見を伝えることも重要なのですが。何年も前に先輩研究者とお話しした時にその方が言っていたのは、その道の大御所に自分の研究がおもしろいと言ってもらえた時に嬉しいと感じるということでした。私も、ただ純粋に、利害と関係なしに、自分の研究の成果を楽しんでもらえたと感じる時に嬉しいな、と思います。自分の発表や自分の関係する研究発表で驚いてもらえたら嬉しいですし、驚いた顔を見るのも好きだったりします。ただ、自分の発表の時にはそんな余裕は全くないので、ラボの人が発表する時にみんなが楽しんでいたら良いなと周囲を見渡したりしています。
秋山-小田康子 (特別研究員)
所属: 細胞・発生・進化研究室
動物の初期発生に興味を持ち、オオヒメグモを用いて研究しています。