ラボ日記
2020.09.15
論文が出ました
永らくかかっていた仕事をとうとう論文として発表することができました。アメリカ時間の9月9日に公開、日本時間の10日午後にBRH内で記者発表。華やかなことはちょっと、と躊躇していたのですが、小田さんの一生にそう何度もあることではないよ、という言葉に押され、やってみることに。結果として、いらしてくださった記者さんお二人にじっくりとお話を聞いていただけて、良かったかなと思っています。
論文はオオヒメグモ胚に繰り返しの縞パターンがどうできるか、という内容です。縞パターンは体節ができる前に現れるシマシマの遺伝子発現のことです。データを取り始めたのは7年も前。その時は、ゲノムレベルの仕事を始めなくては、時代に遅れないように、と強迫めいた気持ちも少なからずあり、どう研究が発展するかも分からないまま、頭尾のパターンに異常が起こった胚の解析をとにかくゲノムレベルでやってみよう、とそんな感じでした。それでも、初めて次世代シーケンサーを動かし、バイオインフォマティクスを0から勉強してと、新しいことができるようになっていくのは非常に楽しいものでした。難しかったのはバイオインフォマティクスのデータから生物学的なおもしろさに行き着くところでしょうか。コンピュータのデータだけで論文をまとめるのはどうしても納得できず、そこから卵と向き合うこと数年。ずいぶん時間がかかりましたが、波のような遺伝子発現が関わる新しい現象を見つけることができ、粘った甲斐があったと思っています。
論文を書いている時は終わったら燃え尽きてしまうかもと思ったりしていましたが、そういうこともなく、今はまた次なる挑戦を始めたところです。おもしろいことが発見できたらと思っています。
論文へのリンクはここ↓です。
https://advances.sciencemag.org/content/6/37/eaba7261
もしよろしければ、ご覧ください。
論文の解説はこちら。
論文はオオヒメグモ胚に繰り返しの縞パターンがどうできるか、という内容です。縞パターンは体節ができる前に現れるシマシマの遺伝子発現のことです。データを取り始めたのは7年も前。その時は、ゲノムレベルの仕事を始めなくては、時代に遅れないように、と強迫めいた気持ちも少なからずあり、どう研究が発展するかも分からないまま、頭尾のパターンに異常が起こった胚の解析をとにかくゲノムレベルでやってみよう、とそんな感じでした。それでも、初めて次世代シーケンサーを動かし、バイオインフォマティクスを0から勉強してと、新しいことができるようになっていくのは非常に楽しいものでした。難しかったのはバイオインフォマティクスのデータから生物学的なおもしろさに行き着くところでしょうか。コンピュータのデータだけで論文をまとめるのはどうしても納得できず、そこから卵と向き合うこと数年。ずいぶん時間がかかりましたが、波のような遺伝子発現が関わる新しい現象を見つけることができ、粘った甲斐があったと思っています。
論文を書いている時は終わったら燃え尽きてしまうかもと思ったりしていましたが、そういうこともなく、今はまた次なる挑戦を始めたところです。おもしろいことが発見できたらと思っています。
論文へのリンクはここ↓です。
https://advances.sciencemag.org/content/6/37/eaba7261
もしよろしければ、ご覧ください。
論文の解説はこちら。
秋山-小田康子 (特別研究員)
所属: 細胞・発生・進化研究室
動物の初期発生に興味を持ち、オオヒメグモを用いて研究しています。