1. トップ
  2. 語り合う
  3. 研究館より
  4. 2020年春、夜は必ず明ける

研究館より

ラボ日記

2020.04.15

2020年春、夜は必ず明ける

お世話になっている大阪医科大学の先生が「21世紀は感染症の時代と言われている」とお話しされるのを聞いたのが、つい5か月前。21世紀中には癌などの病気を克服し、人類が21世紀に対するのは感染症だというお話だった。多剤耐性菌などいろいろ問題になっているからなぁと思ったものの、頭の中では数十年後位の未来をぼんやりと描いていた。

でも、今、世界では新型コロナウイルスの感染症で7万人を超える人が既に亡くなっている。人間はこんなにも無防備だったのかと思う。新型ウイルスに関する科学的な情報はまだ少なくて、ウイルスの増殖の仕方を検索しても、日本語では類似の他のRNAウイルスの情報しか出てこない。それでも、この新型コロナウイルスに関する研究が世界でなされており、ウイルスの構造や細胞への入り込み方などの論文も少しずつ発表されてきている。人類がこのウイルスに対抗できるようになると信じたい。

大阪にも緊急事態宣言が出され、BRHも昨日(4/8)から閉鎖。生き物のお世話以外は家で研究活動を行うことになった。始まるはずだった学校。ひと月かけてリバイズした論文を送り返した雑誌の編集局(アメリカ)も閉鎖。これからどうなるのか?という思いがもたげてくるが、とにかく前を向いて、できることをやろう。

今年もJTの桜は咲いています。来年も咲くはずです。

動物の初期発生に興味を持ち、オオヒメグモを用いて研究しています。