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研究館より

表現スタッフ日記

2025.04.15

初めまして

皆さんこんにちは。初めまして。この4月に着任しました黒田と申します。大阪大学の生命機能研究科というところからやって参り、新しく研究室を立ち上げることになりました。3月まで所属していた大阪大学の研究室のメンバー(研究員、大学院生、技術員)も一緒について来てくれて、さらに新しい研究補助員さんも二名参加してくださり、メンバー全員で協力しあいながら、快適に実験ができるように研究室の環境を整えている最中です。

突然ですが、皆さんは、何をしている時にワクワクしますか?美味しいお食事をいただいている時、好きな作家さんの小説や漫画を読んでいる時、美しい絵画を鑑賞している時などでしょうか。私は子供の頃から生き物を観察することが好きでしたが、将来は生物学、特に生き物の身体の形づくりの原理を探求するような分野の研究者になれたらなあと漠然と考えていました。幸運なことにも、子供の頃から好きだったことの延長線上で現在仕事ができていることに感謝しながら毎日過ごしています。また、実験生物学者としての誇りと責任も感じつつ、ハードながらも楽しい研究者生活を送っています。中でも、顕微鏡を覗き、レンズの奥に広がる生き物の身体の中の世界を観察する時に感じるワクワクする時間が私は特に好きです。

下の画像は、私が顕微鏡で撮影したお気に入りの一枚ですが、ぱっと見て皆さんはこの画像が何の生き物の、どのパーツのものなのかお分かりでしょうか?実は、これは私が研究材料としているゼブラフィッシュというモデル生物のある組織の一部を撮影したものです。たくさんの直線状の構造が同じ方向に並んでいるのが印象的ですが、これら一本一本は、コラーゲン線維でできた構造物です(長さは100〜200マイクロメーターほど)。生き物の身体の中で、細胞たちはどうやってこのような美しい構造、規則正しいパターンを作りあげるのでしょうか。顕微鏡でしか見ることができない小さな世界で、身体を作るために細胞たちが正確に働くその仕組みに迫るような研究を、この生命誌研究館で展開していきたいと思っています。ワクワクするような面白い研究ができるよう尽力しますので、これから皆様どうぞよろしくお願いいたします。
 

黒田純平 (室長)

形態発生研究室