表現スタッフ日記
2024.12.17
BRH31年目〜表現日記を始める
初めての表現日記が今年の最後を飾る節目の日記になりました。30年間の研究生活に一応のピリオドを打ち、この4月から表現セクターのメンバーに加わりました。BRHという大きな環境で働くのは変わりませんが、実際に表現セクターの部屋に座ってみると、メンバー全員をお互いに一望できる、ラボとは全く違う環境に新鮮さを感じながらも、なんとなく落ち着かない違和感もありました。しかし、いつの間にかその違和感がなくなり、この環境に慣れるのも時間を要しませんでした。慣れてみると、机の前に座ったまま仕事の話ができる便利なところもあるし、偶にはみんなと雑談を交えながら仕事を進めるのも楽しい。
研究には事務的な書類以外に、基本的に「締め切り」というものはあまり存在しないと思いますが、表現セクターの仕事は逆にほぼすべてにおいて「締め切り」というものがあります。ゆっくり吟味することができないこともありますが、計画通り仕事を進めるスピード感があるのは良いところです。私の主な仕事はイチジクとイチジクコバチの共生関係の仕組みを物語としてメタバースという仮想空間で表現することをトータルメディアと共同で進めることでした。メタバースがどういうものなのかを理解しないまま仕事に突入しましたが、イチジクとイチジクコバチのことなら、20年間も研究してきたので、何とかなるだろうと思いました。しかし、実際に仕事に取り組んでみると、自分がどれだけ理解していても、目の前にいない人に理解してもらうのは思っているよりずっと難しいことだと、この仕事を通して改めて実感しました。これまでに普通に使っていた言葉でも全く通じず、説明すれば長くなるし、そうかと言って代わりの分かりやすい言葉も見つからない、そんな場面が多々ありました。頭の中でぼんやりとイメージしていることを平易な言葉ではっきりと伝えなければならない難しさも痛感しました。こういうのは表現セクターの仕事では恐らく日常茶飯事だろうと思いますが、慣れていかねばと思います。
一つ一つの締め切りに追われながらも、皆さんのご協力があって第一弾の制作物は年内の納品に間に合い、先日展示ホールのビデオブースに導入することができました。研究論文が雑誌に掲載されたときのような達成感を少なからず感じました。BRHにお越しになった時は、ぜひ一度体験していただければ嬉しく思います。ちなみに、福岡市科学館でも11月20日よりテスト展示を行っています。今後は、イチジクとイチジクコバチの共生関係の奥深い不思議をAIサイエンスコミュニケーターとの対話を通じて理解し考える第二弾と、アバターになって、コバチの気持ちをもちながらイチジクの花嚢の中に潜り込んで観察する第三弾も作成していく予定です。どんなものができるのか、私も大変楽しみにしておりますし、皆さんにもご期待いただければと思います。
研究には事務的な書類以外に、基本的に「締め切り」というものはあまり存在しないと思いますが、表現セクターの仕事は逆にほぼすべてにおいて「締め切り」というものがあります。ゆっくり吟味することができないこともありますが、計画通り仕事を進めるスピード感があるのは良いところです。私の主な仕事はイチジクとイチジクコバチの共生関係の仕組みを物語としてメタバースという仮想空間で表現することをトータルメディアと共同で進めることでした。メタバースがどういうものなのかを理解しないまま仕事に突入しましたが、イチジクとイチジクコバチのことなら、20年間も研究してきたので、何とかなるだろうと思いました。しかし、実際に仕事に取り組んでみると、自分がどれだけ理解していても、目の前にいない人に理解してもらうのは思っているよりずっと難しいことだと、この仕事を通して改めて実感しました。これまでに普通に使っていた言葉でも全く通じず、説明すれば長くなるし、そうかと言って代わりの分かりやすい言葉も見つからない、そんな場面が多々ありました。頭の中でぼんやりとイメージしていることを平易な言葉ではっきりと伝えなければならない難しさも痛感しました。こういうのは表現セクターの仕事では恐らく日常茶飯事だろうと思いますが、慣れていかねばと思います。
一つ一つの締め切りに追われながらも、皆さんのご協力があって第一弾の制作物は年内の納品に間に合い、先日展示ホールのビデオブースに導入することができました。研究論文が雑誌に掲載されたときのような達成感を少なからず感じました。BRHにお越しになった時は、ぜひ一度体験していただければ嬉しく思います。ちなみに、福岡市科学館でも11月20日よりテスト展示を行っています。今後は、イチジクとイチジクコバチの共生関係の奥深い不思議をAIサイエンスコミュニケーターとの対話を通じて理解し考える第二弾と、アバターになって、コバチの気持ちをもちながらイチジクの花嚢の中に潜り込んで観察する第三弾も作成していく予定です。どんなものができるのか、私も大変楽しみにしておりますし、皆さんにもご期待いただければと思います。
蘇 智慧 (研究員)
表現を通して生きものを考えるセクター