表現スタッフ日記
2024.12.03
イモムシさん、お名前は?
展示ガイドのとき、生命誌絵巻の前で、この地球上に生きものは何種類くらいいると思われますか?とおたずねすることがあります。多くの方が首を傾げて、10万くらい?から億の単位?もしかしたら京の単位?などいろいろな桁の数が飛び交います。私も答えは知りません。わかっているのは、人間が見つけて名前をつけた生きものは約200万種ほどだということです。これをお伝えしたときの反応はなんだか微妙、という感じです。
200万種という数が多いか少ないかはともかく、それぞれに名前のつけられた生きものたちは図鑑で見比べると、違う名前がついているのにどこがどう違うかよくわからないことがあります。解説文に、近い仲間の〇〇とはこの部分が異なる、など親切な説明があることもありますが、私の目には、うーん、言われてみればちょっと違うかも?という程度です。見つけた生きものの名前を調べるため図鑑をめくっても、調べたい生きものとは異なる分類のページを開いてしまっていることもあります。
『図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか?』(須黒 達巳・著/ペレ出版)によると、見分けられるようになるには「目をつくること」が大切だそうです。つまり図鑑を正しく使いこなすには、生きものの実物や絵や写真から、特徴を正しく捉える目を鍛えなければならない、ということです。やはりかなりの経験が必要になりそうです。
200万種という数の大きささえ実感できませんが、それより遥かに多い人類のまだ知らぬ生きものたちがこの地球で共に生きています。身近に普通にいるイモムシケムシの名前を知ることは、この世界の広さ、生きものの多様性を理解することにつながるのではないでしょうか・・・なんて大それたことよりも、単純に日常の散歩が楽しくなりますので、これからもイモムシに限らず出会ったいろいろな生きものの名前を調べたいと思っています。
*10/16の「ラボ日記」で尾崎研究員が『イモムシサガシステム』の紹介をしていました。このシステムは、チョウやイモムシの形、色、模様などの特徴を選択していくことで知りたかった名前に近づいていくというしくみになっています。最終的にこれかな?と思った虫を画面でタッチすると、そのチョウの特徴、幼虫の食草が詳しく書かれていて、さらに図鑑やWikipedia、分布図へのリンクがはってあり、ここだけでかなり詳しく知ることができるようになっています。
200万種という数が多いか少ないかはともかく、それぞれに名前のつけられた生きものたちは図鑑で見比べると、違う名前がついているのにどこがどう違うかよくわからないことがあります。解説文に、近い仲間の〇〇とはこの部分が異なる、など親切な説明があることもありますが、私の目には、うーん、言われてみればちょっと違うかも?という程度です。見つけた生きものの名前を調べるため図鑑をめくっても、調べたい生きものとは異なる分類のページを開いてしまっていることもあります。
『図鑑を見ても名前がわからないのはなぜか?』(須黒 達巳・著/ペレ出版)によると、見分けられるようになるには「目をつくること」が大切だそうです。つまり図鑑を正しく使いこなすには、生きものの実物や絵や写真から、特徴を正しく捉える目を鍛えなければならない、ということです。やはりかなりの経験が必要になりそうです。
とはいえ最近はグーグルレンズというネットの画像検索で、日常お散歩で出会うようなものの名前を知るにはほぼ事足りるようになりました。そのものずばり、という検索結果が出てすっきりすることもありますが、そう簡単にはいかないことも。例えば、ハギの仲間の植物を食べていたイモムシを写真に撮り画像検索してみたところ、結果はお約束の「ケムシ」から始まり、モンキチョウ、キチョウ、モンシロチョウ、ウスキシロチョウ、ツマグロキチョウなど、いろいろな候補があがってきました。どれもそっくりで、その中からこのイモムシの名前にたどりつくにはまた検索を繰り返したり図鑑とにらめっこしたりすることになります(*)。その過程でいろいろな情報に出会います。そっくりな幼虫すなわち近い仲間のチョウがたくさんいること、ハギにもいろいろな種類があるということ、キチョウは最近キタキチョウとミナミキチョウに分けられた、なんてことまで、いろいろなことを知ることができました。このようなことを繰り返しているうちに、少しずつ視界が拡がるような感覚を覚えます。
グーグルレンズで検索したイモムシ
200万種という数の大きささえ実感できませんが、それより遥かに多い人類のまだ知らぬ生きものたちがこの地球で共に生きています。身近に普通にいるイモムシケムシの名前を知ることは、この世界の広さ、生きものの多様性を理解することにつながるのではないでしょうか・・・なんて大それたことよりも、単純に日常の散歩が楽しくなりますので、これからもイモムシに限らず出会ったいろいろな生きものの名前を調べたいと思っています。
*10/16の「ラボ日記」で尾崎研究員が『イモムシサガシステム』の紹介をしていました。このシステムは、チョウやイモムシの形、色、模様などの特徴を選択していくことで知りたかった名前に近づいていくというしくみになっています。最終的にこれかな?と思った虫を画面でタッチすると、そのチョウの特徴、幼虫の食草が詳しく書かれていて、さらに図鑑やWikipedia、分布図へのリンクがはってあり、ここだけでかなり詳しく知ることができるようになっています。
室園純子 (館内案内スタッフ)
表現を通して生きものを考えるセクター