爬虫類は私たち哺乳類と同じ、胎児をつつむ羊膜をもち陸上で子供を育てる仲間です。爬虫類のなかでもトカゲの仲間は、約7千種と陸上動物の中では最も種類が多い頼もしい隣人です。しかし、変温動物で冬は苦手なのか日本の在来種はわずかに約30種。身近なようで、なかなかお目にかかれないトカゲのなかまに紙工作で迫ります。
モササウルス類は、約8千万年前の白亜紀に出現し、海に暮らした巨大なトカゲの仲間です。四足の陸上のトカゲが海に進出し、足や尾がヒレ状に変化したと考えられています。化石は大西洋周辺を中心に世界で発見され、大阪や和歌山、北海道でも見つかっています。大きなものでは1.5メートルもの顎や鋭い歯をもち当時の海の捕食者の頂点と見られます。さまざまな種の歯を調べると、貝を砕いて食べるもの、ウミガメや大型のイカを狙うもの、小型の魚を漁るものがいて、棲み分けることで多様化したようです。
モササウルス
同じ時代の陸上には恐竜ティラノサウルスがいました。サウルスは「トカゲ」を意味し、鋭い歯と長い尻尾をもつ生きものが収斂進化して「トカゲ」に代表される爬虫類の時代を築きました。爬虫類の祖先は、約3億年前に私たち哺乳類と分かれ、その後、2億8千万年前頃には、トカゲやヘビの仲間の鱗竜類、ワニやカメと恐竜から鳥に至る主竜類に分かれました。同じサウルスでも、モササウルスとティラノサウルスは異なるのです。
白亜紀最後の海に栄え、恐竜と共に姿を消したモササウルスをつくり、昔の海の多様な生態系に思いをはせましょう。
引用文献:PLoS One. 10(3) e0118199 (2015) 協力:徳川広和