RESEARCH
細胞社会を考える
植物
(多細胞化・ゲノムセット)
ヒトのからだは、父母由来の2セットのゲノムをもつ複相の細胞からなります。日常眼にする生きものの多くは、私たちと同じ複相の多細胞生物です。しかし植物の場合、たとえばお寺の庭で出会うコケは、多細胞でありながらゲノムが1セットの単相です。植物は動物とは異なる進化の道を辿ったので、このようなことが見られるのです。
ここでは、緑藻での多細胞化を段階的に探る野崎久義さんと、陸上植物での単相・複相交代の鍵となる遺伝子を追う榊原恵子さんの研究を取り上げます。植物独自の進化過程を知るために重要な二つの側面です。
「生命誌アーカイブより」
これまで生命誌で取り上げた800件近い記事の中から、関連の深い記事を集めました。
ここでは、細胞社会から植物の進化を考えます。
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1.葉緑体と植物進化の光と陰
田中寛 85号
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2.形を生み出す相互作用
小田祥久 76号
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3.被子植物の繁栄を支える重複受精の瞬間を見る
東山哲也 71号
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4.遺伝子の段階的な進化が生む新しい植物の形
中山北斗 68号
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5.有性と無性を組み合わせて多様性を維持するシダ
篠原渉 66号
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6.多様な細胞分裂様式に見る植物の進化
嶋村正樹 58号
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7.遺伝子が「一生を過ごす」場としてのゲノム
小保方潤一 56号
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8.細胞分裂の多様性を生み出すトレボキシア藻綱の細胞壁
山本真紀/河野重行 51号
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9.環境が生んだあいまいな形態
加藤雅啓 40号
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10.ボルボックスで見る多細胞生物の形づくり
西井一郎 39号