生命誌ジャーナル48 2006年 春号

カードを楽しみ、細かな内容はWEBで読むというユニークな組み合わせの季刊誌です。

2005 Biohistory's Theme 年間テーマ「観る」 第1回 第2回 第3回 第4回 年刊号

観るが始めで終りと知る
中村桂子
 “観る”の原点は子供時代の朝顔の観察だろう。動かない植物はこちらもじっと見ることになる。身近な昆虫を調べ尽くした後、日本の植物図鑑が全てを網羅し良質であることに気づいて、植物を徹底観察した塚谷少年は、遺伝子から野外、更には小説の中と、あらゆる植物の姿を観て、“形とはなにか”を考える魅力的な研究者になった。植物の研究者がもっと増えてもいいのにと思う。
TALK 対話を通して
[葉っぱから考える]
違和感としてわかる豊かな形作り
 
塚谷裕一
東京大学 教授
中村桂子
JT生命誌研究館館長
 リサーチは、光合成を支えるタンパク質が、逆の反応とみられる呼吸で使われるものとほぼ同じで、しかも更にエネルギーを効率よくつくる工夫が加えられているという話。立体構造をよく観たらわかった動かない植物特有の巧みさである。リサーチ二つめは脳内のニューロン以外の細胞の機能。大量に見えているのに何故か情報伝達とは無関係とされてきた細胞が、カルシウム濃度の増減によって運動・感覚などの脳機能に関わっていたのである。見えているものを見直した話である。
RESEARCH 研究を通して
まずはここから・・・リサーチのツボ
光合成に関わる蛋白質から知る植物の賢さ 
栗栖源嗣
東京大学大学院
柔軟な脳のはたらきを支えるアストロサイト
森田光洋
東京薬科大学
 アートはマンダラ。見えない仏の世界を形にし、聖と美を一体化して宇宙観を表した見事さは、観ると表現を考える私たちを圧倒する。生きものをよく観て現代のマンダラを描きたいと思う。
  サイエンティストライブラリーは藤澤肇さん。眼から伸びた神経が正確に視覚野につながるのは、試行錯誤の末のこと。軸索を見えるようにしたことで、伸びる軸索を誘導するタンパク質とこちらへ来てはいけないというタンパク質の組み合わせでだんだんに正確な方向に導かれることがわかった。“観る”が研究の始めで終わりと断言する。
  まさにその通り。一年間「観る」をテーマにし、細かいことを知る、基本を考える、統合化するなど全てが、じっくり観るところから生まれることを実感した。
ART 表現を通して
マンダラ ─ 全体をみる 
SCIENTIST LIBRARY
人を通して

神経回路は試行錯誤で 
藤澤 肇
名古屋大学大学院特任教授

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年間テーマ観る 生きものは内に時間を持ち、それを解きほぐして生きています。「愛づる」、「語る」という切り口に続いて今年は「観る」がテーマです。時間が鍵である生きものを知るための大事な方法としての「観る」を考えます。細胞を瞬間凍結して電子顕微鏡で観ることによって初めて、すばやい分子の動きがわかったという例があります。改めてじっくり観ることの大切さを考えてみたいと思います。

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生命誌年刊号
『観る』生命誌年刊号 2005
(B5版・198ページ)
定価:1,600円(税込)
発行:JT生命誌研究館
発売:新曜社
発行日:2006.05.01
『観る』生命誌年刊号 2005  中村桂子 編集
季刊「生命誌」45号〜48号を一冊の本にまとめました。

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