山に囲まれた環境で育ったせいか、動物が昔から好きでした。バッタにひもをつけて遊んだり、『水の生物』とか『植物』などのポケット図鑑を見ては楽しんでいました。環境によって生き物が変わっていく進化は、いつも不思議でしかたなく、興味が絶えませんでした。ですから、進化の系統図を描くという仕事は私にはピッタリで、とても楽しくやらせていただきました。

私が作品で描く鳥や木といった生き物は、どれも想像上のものです。デッサンはあまり好きではなく、むしろ写真やテレビの画像などから生き物たちの動きや骨格などが頭に入ってきます。だから、動物でも植物でも、自分の画両上で好きなように描くことができます。

進化の系統図の中には、すでに死に絶えてどのような色をしているのか、あるいはどのような形をしているのかはっきりわからないものがいくつも出てきます。それを想像して描くのに、私の作風は合っていたかもしれません。

フランスのアンリ・ルソーは私の好きな画家の一人です。彼の絵にはあたたかみと夢があり、絵そのものに味がある。絵はうまい、へたが問題なのではなく、見てくれる人に何かを感じさせることができるかどうかにあると思うのです。そんな絵を今後とも描いていきたいと思います。


新進画家の橋本さんは、神奈川県横須賀市の海に近い山あいに住んでいます。「生命の物語りを読む」掲載の進化の系統図(生命誌絵巻)を描いてもらいました。この系統図は、これまでの進化系統樹とちがって、時間の流れの中で多様性を増していくことが進化である、との視点で作成されています。

(編集部)