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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【「る」から「く」へ】

村田英克
 年が明けてから、今年度の活動を振り返って、この一年の報告をまとめる作業を分担して行っています。ものはもう作ったのだから、それをまた報告書の形にまとめなくたっていいじゃないのという気持ちもないわけではありませんが、あらためて資料を振り返り、うまく行かなかった点も含めて結果を受け止めることは、大切ですね。それをバネにして、次の1年をがんばらないといけません。いくつになっても反省点は多いです。
 先週、生命誌カードの本年度最終号の入稿を済ませました。個々の記事は皆で分担していますが、カード制作の全体をとりまとめて、節目を作りながらスタッフたちの仕事をまとめていったカード担当今村さんの個性が全体的ににじみ出ているような気がします。個と全体の関係は不思議なものです。カードは2月下旬に皆さんのお手元に届く段取りで、そのタイミングにWEBに掲載する同じ号の生命誌ジャーナル制作の打ち合わせは、(さっき)終わったのに、まだ原稿が整っていません。やばいです。そうこうしながら、少し前に決めた次年度のテーマ「?(まだないしょ)」に相応しい季刊「生命誌」の構成を探り、昨日もミーティングを行いました。どんな風になるかは5月中旬発行予定の61号でお確かめください。
 さて今年のカードの私の挑戦は、リサーチを3本担当したこと。取材と原稿執筆に応じてくださった研究者の方々は、実際に会ってお話を伺うと、それぞれの分野に基礎を置きながらも、ご自身の個性や歴史に基づいて獲得された見方を重ねて、まさにこの人しか持ち得ない独自の視点から、今、この世界を捉えようとなさっている存在であることが、ひしひしと伝わってきます。具体的な研究の成果は論文であるわけですが、「研究を通して」という生命誌の切り口で伝えたいものは、研究の背後にあるものも含んでいます。もちろん具体的には、新しい研究成果を言葉と図像を基本に表現するのですが、研究者ひとりひとりの中に渦巻いている言葉に仕切れないものまで伝えることができてはじめて人を動かす生きた記事になるのだろうと思います。まだ道半ばですが、今後ともよろしくお願いします。
 「続く」の年刊号は、遠山さんが担当して制作を進めています。書籍にまとめる季刊生命誌は、「愛づる」「語る」「観る」「関わる」「生る」と、過去5年「るるる・・・」と続きましたが、今年は、「く」になっただけでなく書籍の体裁も大きく変わるようです。ご期待ください。
 ほかにもいろいろありますが、そろそろリサーチの編集作業に戻ります。

 [ 村田英克 ]

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