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2024.09.11

宇宙帰還オサムシ

参照記事「研究館より」

アマミナナフシ

生命誌研究館には毛利衛先生が2度目の宇宙帰還時の中村桂子先生へのお土産のペーパーウェイトの宇宙帰還オサムシがNASAの保証書の横に鎮座しています。(当時の詳細は中村桂子先生のちょっとひと言にあります。)

中村桂子先生の言葉を読んで一冊の本を思い出しました。

毛利衛先生の科学絵本『宇宙からの言葉』(学研)

人類は地上の5千万種もの生命とともに生かされている.

地球に帰還して宇宙船のハッチが開かれたとき、地上の空気が入って来ました。土や植物の匂いと沢山の微生物が混じった湿り気を感じました。地上支援の仲間がこっぷの水を差し出してくれました。うまい…。宇宙にいる間は燃料電池からできる、まずい水を飲んでいました。宇宙船は「生命維持装置を持つ人工環境」に過ぎません。人間の科学技術の限界を思い知った瞬間でした。私たちは地球に生かされているのです。


私は宇宙を経験して、人間が今の形を保ち他の惑星に移り住むことはできないことがよく分かった。
地球に生命が生まれて40億年。
そのDNAをつなげて生物は地球環境で生きるために形を変えて進化してきた。
しかし宇宙では科学技術が制御する生命維持装置がいつも正常に働かなければ人間は生きていけない。…人間がこれから何世代にもわたって生きてゆく場所はこの地球しかない。
それは、人間以外の生物がいっしょにいてくれるからである。

人間を持続的に未来へつなげる新しい世界観がいま生まれようとしている。
個人の知恵が世界の人々につながり、世界の情報が国を超えて個人につながるインターネット、スマートフォンさらにはAIとロボット技術の急速な進化。
これらつながりの道具を駆使できるひとたち、そしてこの絵本をいま読んでくれている若い世代を信頼して、

私は未来の宇宙船地球号の操縦をまかせたいと思う。

2024.09.11

1. 中村桂子(名誉館長)

アマミナナフシ様
 宇宙に行ったオサムシ君のこと覚えていて下さってありがとうございます。地面を這って地球をよく知ったうえで宇宙を体験した貴重な存在です。毛利さんは、宇宙でまどみちおさんの詩を読まれましたね。まどさんは「僕は宇宙から来たので、そこに還ります」とおっしゃっていました。私も同じ感覚です。宇宙ってそういうところではないかと思っています。
                    中村桂子

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