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みんなの広場

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2024.08.20

そう思いつつ何も出来ずに。

参照記事「研究館より」

大和康代

中村先生、まさに同じ思いで子供たちの言葉に聞き入っていました。

毎年この時期になると、慰霊祭やメディアから知る情報で、胸が苦しくなります。過去に広島や長崎にも訪れました。慰霊祭を恒例行事として済ませてしまわないように…と考えています。…が、何をしたらいいのか?今起こっている紛争でさえ止められぬ人間の一人として無力さを感じています。

2024.08.20

1. 中村桂子(名誉館長)

大和康代様
 同じお仲間がいて下さって嬉しいです。生きものとして考えたら同じホモサピエンスという仲間を大量に殺すなどというバカなことはするはずがありませんよね。お偉い方たちが生きものであることを忘れているのがいけないのだと思い、生命誌研究館から発信を続けています。無力感は同じですが、地道に行きましょう。
                     中村桂子

2024.08.22

2. かも

原始、紛争を解決するに。山の向こうの夷狄は殺しても良いと考えることが当然にあったのでしょう。下って、大公が支配する世界でも、常に紛争解決の手段は、殺戮であったのが人間の歴史です。
他方で、あらゆる生物界においても、雄は常に争って強いものだけが子孫を残し、環境に呈したものだけが生き残るためにあらゆる生物種が争って勝ち抜いて生き残ることが種の保存の原理であったのです。
其の構造を研究するのは生命史の原理を知ることであり、生命誌研究の本務とも言えることでは無いでしょうか。
其の原理の上で、我が国は憲法において、紛争解決の手段として武力を放棄することを決意し、交戦権の行使を禁止する決意をしてきました。
其れこそがあらゆる生物種において平和的に生存する究極の本務であり理想であると先人達が考えたからに違いありません。
現下の戦争を見ても、戦争によって、問題解決出来ることは何もありません。ウクライナにおいて、イスラエルにおいて、解決の道筋が全く見えないのは、他でもない、武力によっては何も解決出来ないことの何よりの証明です。
高度に進化した武力を持つことによって、武力によっては解決出来ないことを誰もが認めれば、武力に依ってでは無い解決を求めるしか無いことに気付くでしょう。
敵は常に、極悪非道なのです。国際条約を無視して侵略したロシアが悪いから、ロシアを追い出すことは正しいと考えるのはつまりはロシアと敵対している側の論理でしかないのです。
ロシアにはウクライナに敵対する全く正当な理由があるから戦争に至ることに思いをいたして、言葉で、叡智で解決する方法を見つけ出すので無ければ、現代の戦争を終わらせることは出来ません。
敵は常に、どちらから見ても極悪非道だからです。
其の極悪非道を投げ合うのが戦争だとすれば、いくら敵を非難しても戦争を終わらせることは出来ないのです。
イスラエルでも、或いは、台湾海峡を巡る緊張でも同じことです。
武力によって、紛争を解決しないという国是こそ我が国の掲げる理想であり、人類全てにとっての掛け替えのない理想であるはずです。
其の国是を日本が掲げて、中心になって、仲裁する気概を示すときです。
折しも政治が大きく動いています。
そのことを政治に伝える時だと考えます。

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