生命誌について
2023.11.20
面白い科学者に出会った
やっちゃん
今『科学者が人間であること』を手元において読み始めました。まだ「はじめに」のところですが、ゆっくりじっくり読んでいます。
同じタイミングで、ゴリラになりたかった山際寿一さんとシジュウカラになりたい鈴木俊貴さんの対談を読みました。こちらは話し合うスピードなので展開が速い。興味深かったのは、「霊長類のケンカの流儀」でした。サルとゴリラのケンカの違いは興味深い。群れで暮らすサルと家族単位で暮らすゴリラの違いなのでしょうか?ケンカの終わらせ方が絶妙なのですね。ゴリラと暮らした山際さんのゴリラ目線の語り口も面白いです。
人間はどちらに近いだろう?と読後しばらく考えてしまいました。手っ取り早く優勢な方に加勢して勝負を付けてしまうサルなのか、劣勢な方を応援して適当なところで第三者が仲裁に入るゴリラなのか。ケンカ後も群れで暮らすサルはグルーミングという仲直りが用意されていてることも初めて知りました。群れで生きるための知恵だなあと思います。人間もお互いが生きるためのグルーミングが必要ですね。
まだまだ読み取れていないこと多々ありますが、こんな面白い科学者がいて、人間ってこんな生きものですよ、と教えてくれるのは有難いです。夜の航海で見つけた灯台の灯のようです。
2023.11.22
1. 中村桂子(名誉館長)
やっちゃん様
科学者、ゆっくりで結構です。お読みいただけると嬉しいです。山極さんとは、たまたまこの1週間の間に2回ご一緒しました。両方共、自然、生命、人間を考える会でした。山極さんはゴリラの生態、私はDNAから入りましたが、今両方が重なり始めており、同じような考え方へとまとまりつつあるのを感じます。話が合います。
でも、DNAよりゴリラの方が愛嬌があって分かりやすい。いいなと思います。今大事な発信です。
中村桂子