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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【語りをマスターする】

齊藤わか  また音声ガイドの仕事をさせてもらうことになりました。今回は「骨と形」のコーナーです。前回オサムシの展示ではじめて音声ガイドの仕事をして以来なので、書き方を思い出さなくてはなりません。しかも「骨と形」は標本がメインの展示なので、標本を見ながら要点を伝えられるようなものにしなくてはなりません。前回オサムシで音声ガイドを作ったときは、音声での伝え方が、書き言葉の伝え方と違うことに戸惑いました。長い文章は短く切る、熟語ばかりを並べない、そして何より「語る」ように表現していくというのがいちばん難しいのです。書きかけの原稿を持って展示の前に行き、自分で自分に語り聞かせるという作業を繰り返しました。この作業が非常に重要で、一箇所に留まる時間は長すぎないか、耳だけで聞いて追いつける内容か、興味を引く展開になっているかなどがすぐに分ります。そしてまた机に戻って頭をひねって原稿を修正します。この経験で、語ることの難しさを実感しました。そして今回は骨と発生の標本を前にして語ることになります。前回の経験を生かしつつ、また前回とは違う課題があるに違いないわけですが、それを乗り越えるのもまた楽し、と挑んでいきたいと思います。


 [ 齊藤わか ]

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