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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【高槻と寒天】

2012年12月3日

秋山-小田康子

日曜日、すっきりとした小春日和。今城塚古墳に行ってきました。これは、生命誌研究館から2キロほどのところにある大きな古墳です。公園として整備された古墳には200もの埴輪が並べられ、お隣の歴史館には他の古墳の埋葬品なども合わせて展示され、こんなに歴史豊かな町に住んでいるのだなーと、かつて歴史好きの小学生だった私には感動ものです。日曜日には高槻のご当地キャラクターである「はにたん」と熊本からやってきた「くまもん」が古墳で踊ってのコラボがあったのですが、今回はそのことではなく、くまもんの出待ちをしているときに得た驚きの情報についてです。というのは、寒天が、あのゼリーのようにぷるるんとした寒天ですが、なんと江戸時代初期にここ高槻で製法が確立されたというのです。そして高槻から日本全国へ、さらに海外へと広まっていったそうです。現在、健康食品として人気が出ていますが、私たち生物の研究者にとっても寒天は非常に身近で、なくてはならない研究材料です。細菌の培養のための寒天培地や核酸の電気泳動に使うアガロース・ゲルなど毎日のように使っています。そのときに見た資料では、細菌学者コッホが寒天培地を開発したときに人から紹介された寒天は高槻産であったとか。高槻と寒天と自分の仕事。こんなふうに結びついてくるなんて、ちょっと不思議で、ちょっと自慢したいようなそんな気持ちです。

[ ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 秋山-小田康子 ]

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