館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【科学は人 — 原点に戻ってみます】
2009.6.15
ですから、科学を知るということは、単に発見された知識をおぼえるというのではなく、それを考えた過程を共有すること以外のなにものでもありません。と言っても皆んなが皆んな科学を体験することはできません。科学者に自身を語っていただくことで少しでも臨場感を出し、科学の本質を伝えたいと思って始めたのが、この企画です。60人集まると、それなりのコレクション、アーカイブとしての意味が出てきました。そこで興味深いのは、多くの方が、虫を採ったり魚釣りをしたり機械いじりをしたり、遊ぶのが大好きな普通の子だったとおっしゃっていることです。子どもの頃から、特別でしたという方はあまりありません。共通点としては、自然との出会い、本との出会いがあります。平凡ですが、この二つはそこから何かを見つけ出せるものなのですね。ですから科学に限らずすべての原点と言えるでしょう。それともう一つが先生。先生については、これもまた機会を改めて書きたいと思っています。最近、人生の先輩としての先生の大切さ(知識を教えるだけの人ではない影響力)が疎かにされているようにも思えますので。私など先生のおかげだけで生きているなあと思うことがよくあります。 とにかく、ホームページの中のサイエンティスト・ライブラリー、お読み下さい。 【中村桂子】 ※「ちょっと一言」へのご希望や意見等は、こちらまでお寄せ下さい。 |