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研究館より

ラボ日記

2024.08.16

早稲田大学のユニラブに参加しました

コロナウイルス感染症(COVID-19)以前は当館でも、体験型のイベントがいくつかありましたが、長らく開催しておりませんでした。伝統ある早稲田大学ユニラブに参加させていただいて、体験型のイベントの良さを再確認しました。

ユニラブとは?

1988年から続いている、早稲田大学理工学術院が主催する小中学生のための科学実験教室です。
実験や工作を体験することで、科学への興味につながることに期待できます。

早稲田大学理工学院の多くの研究室が体験教室を提供している中、教室の一つをお借りしてJT生命誌研究館も参加させていただきました。

異色の体験教室

クモとチョウといった身近な生き物を使った実験は、ユニラブの中では異色の存在。参加する子どもさんたちに興味を持っていただけるのだろうかと不安もありましたが、参加していただいた皆さんには楽しんでいただけたようです。

午前の部ではオオヒメグモの卵の中で起きている、発生の様子を観察しました。
卵の殻が透明で、中で起きている様子を簡単に観察できることがオオヒメグモの最大の特徴ですが、顕微鏡を覗きながらスケッチをしていただきました。生き物の研究をしている人たちは、蜘蛛の脚が形になり始めているところに感動したりするのですが、どこに注目するかは子どもさんたちの個性が光りました。

午後の部では、アゲハチョウが植物を見分けて産卵する仕組みを体験していただきました。
植物から抽出した化学物質を塗布したプラスチック製の模造葉に、アゲハチョウ達が騙されて産卵する様子を体験していただきました。ミカン科食性のナミアゲハは、ミカン味の模造葉に産卵するけど、アシタバ味の模造葉には産卵しない。そして、セリ科食性のキアゲハは、アシタバ味の模造葉に産卵するけどミカン味の模造葉には産卵しない様子を体験していただきました。

輝く目にワクワクしました

実験を体験して、うまく行った時に子どもさんたちの目が輝いている様子に感動しました。
実際の研究でも、新しいことを証明するためにはいろんな実験を考えて挑戦する必要があります。初めて実験に成功した時には、嬉しさで言葉で表現できない興奮状態になることもあります。そんな楽しさを思い出させていただきました。

参加人数分の実験用生物を用意するのもなかなか大変で、負担が大きめのイベント開催ではあるのですが、大切なことを思い出させて頂けました。むしろ得るものが大きくて、体験型イベントの良さってあるな〜と思いました。
 

アゲハチョウを研究材料として、様々な生き物がどのように関わり合いながら「生きている」のか、分子の言葉で理解しようとしています。