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第2弾 「いのち」をめぐって ー宮沢賢治を手がかりに生命誌の広がり

美しい絵本を出版していらした末盛千枝子さんと中村館長が表記のテーマで対談しました。末盛さんとは、季刊生命誌59号で弟さんの舟越桂さんと共に「美しさを根っこに横へのつながりを」という話し合いをお願いして以来交流が続いています。昨年末盛さんは、賢治の故郷でありご自身が子供時代を過ごされた岩手に居を定められました。そしてこの3月11日の震災です。人間は生きものであることを基本に置く生き方を考えてきた生命誌は、改めて自然の中で生きることの大切さを思います。そこで自然の物語について語り合いました。賢治は、自然の中に入り、動物や植物はもちろん、石の声も聞いて物語を書きました。そして、「これらのちいさなものがたりの幾きれかが、おしまひ、あなたのすきとほったほんたうのたべものになることを、どんなにねがふかわかりません」と言っています。「ほんたうの賢さ」が必要であり、そこから「ほんたうの幸せ」が得られるとも。被災地の子どもに絵本を届ける末盛さんの活動は「ほんたうの幸せ」につながるものです。

クラブヒルサイド セミナーレポート「『いのち』をめぐって- 宮沢賢治を手がかりに」はこちら

「3.11 絵本プロジェクト いわて」HPはこちら

【59号Talk】末盛千枝子 × 舟越桂 × 中村桂子「美しさを根っこに横へのつながりを」

「続く」には家族が大事なのでは。そう思ってお話を伺った末盛・舟越の御姉弟は、親から子へという縦の線だけでなく、その周囲に兄弟姉妹という木の枝のような広がりがあることで生まれる生きる豊かさをみごとに示してくださいました。初めての鼎談です。

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自然の物語を描く ー生命誌アーカイブよりー

生命誌では自然そのものを一つの大きな物語と考え、"科学のコンサートホール"としてその物語を伝えようと表現を行っています。自然の声を聞き物語を紡いでいくことは生きることそのものであり、音楽、演劇、美術、文学、人文学など様々な分野の活動はどれも生命誌とつながっています。宮沢賢治は自然の中で生き、自然の語りを聞きとる名人でした。賢治の物語を読むと、生命誌で考えたいことのすべてがそこにあると言っても過言ではありません。

【TALK】昔話・童話を経験する

25号Talk 小澤俊夫 × 中村桂子「物語るということ」

語りの楽しさを大切にして昔話を伝えようとする小澤俊夫さんと科学を物語ることを目指す中村館長。どちらも人と人とのコミュニケーションを通して、生きていることの本質を伝えようとしています。

【TALK】言葉を考える

43号Talk 川田順造 × 中村桂子「語る叙事詩、生きものとヒトと人間」

言葉は物語を伝える上で欠かせないものですが、ヒトは声帯だけでなく、舌や歯、唇といった器官をそれぞれの文化の中で訓練し、初めて言葉を使えるようになります。ヒトの進化の中で言葉が現れた意味を考えます。

【TALK】物語を継承する

42号Talk 遠藤琢郎 × 中村桂子「世界観を築く」

舞台では稽古を通して、物語を動きとして捉え直す過程を経たときに初めて見えるものがあります。物語・世界観を受け継いでいく伝統について、演出家の遠藤さんと中村館長が語ります。

【RESEARCH】物語を継承する

57号Research 文楽 - 家元・門閥無しに継承する独自の芸

「人生は短く、技術は長い」という言葉があります。一人の人生は短くとも、それを越えて続いていく技(アート)が、文化として、私たちの毎日を豊かにしてくれるのです。

【RESEARCH】科学の物語を描く

4号特集 サイエンティフィック・イラストレーションの世界

科学性と芸術性を共に大事にしながら自然界の現象を表現していくサイエンティフィックイラストレーション。スミソニアン博物館に留学した木村政司さんに、科学と芸術の華麗な二人三脚を示してもらい、合わせて国内外イラストレーターによる生物画の誌上競争展を試みました。

【RESEARCH】細胞の中を描く

26号Special Story DNA を描き出す

生命誌研究館は"科学のコンサートホール"。DNAの構造と働きという日常眼には見えない世界を新しい手法であるコンピュータグラフィックスを駆使して描くことに挑戦しました。「DNAって何?」を作っていく過程をたどり、どこかでなるほどと納得してください。

【RESEARCH】自然を描く

43号Art やまと絵の四季

科学は自然を数字で描くことを基本としていますが、言葉や図像(絵画、映像、写真など)での表現も重要です。文学・美術・音楽などに学ぶことも多いのです。やまと絵の中の生きものの形や動きから、日本文化の中での生きものの受け止め方を考えます。

【TALK】生きものを写し出す

39号Talk 佐々木丞平 × 中村桂子 「生を写す視点」

水を用いて酸素を出す、現在の光合成は、呼吸と表裏一体の関係にあります。
しかし、イオウを使う最初の光合成は酸素呼吸とは全く別のものでした。