研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【新潟サンセット】
『Next Speaker』と書かれた薄暗く光る席の前に座って、発表者のスライドを見たり聴いたりしても半分気がそれ、悶々と浮かんでは消える言葉は発表の内容、誰かが言った言葉等等、、。どうなろうとこうなろうと、僕の研究を専門家たちにぶつけてやろう。それで何かを感じてもらえればそれでいいのだ。最後にそう思えたとき、自分でも不思議な気持ちになりました。簡単に言えば、うれしくなりました。 この「うれしい」という気持ち、少しびっくりしたのです。修士の時の自分と比べて、「ああ僕はここで話すことができるようになったのだ(自分の研究がなければ話せませんので)」と思うと、急にやる気が出て来てしまいました。 こんな僕をずっと見守ってくれてる人がいたからできるんやなあ。まだ論文も書いてないのにこいつはこんなところで感極まっていやがるのか、というお言葉がありますでしょうし、実際自分でもおかしな奴だと思います。でもその方がどんな小さなことでも喜んでいける。すてきです。 周りから見れば何気ない約20分のセッション。しかし、そこにこめられた研究の秘話。思い。どんな小さなことでも、僕にとってはこの瞬間につぎ込まれるのです。この時間を絶対無駄にすまいと勇み足で演壇に上りました。 発表中に少々ミスをしたり、質問にもきちんと答えられなかったりしたので、ネガティブに落ち込むのもありでしたが、何事も経験です。すっきりしていました。何人かの方が興味を持ってくださって発表後に直接質問して下さり、たくさん議論して頂けました。 ポスター発表を含めて当日の発表が全て終了し、なんだか清々しい気持ちでいますと、会場朱鷺メッセから眺める日本海側にオレンジ色の太陽が沈んでいくのが見えました。 目を細めて未来を見つめる研究者たちは、それぞれの研究室に帰ればまたそれぞれの研究に取り組んで行くのです。なんてドラマチック。 そしてさよなら新潟サンセット。 | |
[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 金山真紀] |