研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【来年度の目標】
私たちはこれまでオオヒメグモの論文をいくつか出すことができましたが、それは私たちの努力(能力?)というより、このクモの発生の面白さに助けられたためのように思います。背側を誘導する細胞がシューッと動く様子が簡単に観察できたり、腹側の発生や中胚葉細胞の形成方法が同じ節足動物のショウジョウバエと全く違ったり。それに、この動物を発生生物学的研究の材料として用いている研究室は、世界でも私たちを含めて2つほどです。物珍しさのようなものも手伝っていたのかもしれません。でも、それだけでは今後の研究は続かないだろうということを最近ひしひしと感じています。 オオヒメグモの初期胚の良さは、大きな細胞のシート上に体の基本的なパターンが作られていくところ。この良さをもっといかせるように、細胞を可視化する方法や、シートの一部の細胞で遺伝子発現の様子を変える実験を実現させたいと思っています。まずはmRNAや色素を卵にちくちく注射するところから始めようと思います。 | |
[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 秋山-小田康子] |