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生物の多様化を卵から見る

サイエンス・コミュニケーター&プロダクションセクター

ものみなひとつの卵から

「ものみなひとつの卵から」展
「ものみなひとつの卵から」展
2008年3月より公開中。25種の多様な卵の実物を見て、発生・進化・生態系を総合した動物たちの物語を読みといてください。
 海綿動物、脊索動物、節足動物など34のグループに分けられさまざまな環境で暮らす動物たちは、すべて海で進化しました。その中の8グループに陸上生活を営む種が含まれています。
 卵も、水中に産み落とされるのが基本であり、陸上動物の卵には、乾燥を防ぐために殻をつくるなどの工夫が見られます。哺乳類は、体内という水の環境に卵を戻しました。生きる場所を広げる挑戦の歴史を、卵とその後の発生の様子に見ることができます。

節足動物(ハエ)と脊索動物(サカナ)を結ぶクモ

ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ

クラゲやヒドラなどは回転対称形をしており、体の軸は1つしかない(放射相称軸)。これに対してほとんどの動物は前後軸と背腹軸を持ち、左右相称な形をしている。
 卵から形ができる過程を調べるのが発生生物学。動物の体は、不定形のカイメンや放射相称のクラゲの仲間を除いて左右相称です。左右相称な体の方向を決めるのは、頭と尾を貫く前後軸と、背腹軸の2つ。発生過程でいつどのようにこの2つの体軸ができるかは重要な問いですが、成体の形に対応した形のハエの卵と、球状のサカナの卵では体軸のでき方が異なります。
 クモは、ハエと同じ節足動物でありながら、卵は球体で始めは1つの放射相称軸しか見えず、脊索動物と似た体づくりをします。節足動物と脊索動物という2つの進化の道筋を、クモがつなげてくれることを期待しています。

ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ
発生の新しいモデル動物オオヒメグモ(Achaearanea tepidariorum)を用いて、動物共通の形づくりを探っています。
※BRHカード57号より掲載