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今号テーマ

広がり、関わりを願って

前回は50号の特集。一区切りをつけて、今回からまた新しい気持ちでのスタートである。文化、地域、産業、歴史…あらゆる営みを関連づけるのは人しかいない。産業や歴史が大きな顔をするのでなく主役は人。企業人と芸術家のみごとな連携が作った大原美術館を21世紀を意識しながら再創出している大原謙一郎さんの話には学ぶところが多かった。

リサーチは藻と三内丸山遺跡。藻も含めて真核単細胞生物はいろいろな可能性を秘めており面白い。その中で、トレボキシアが多細胞化への道を考えさせてくれる。大噴火という住民には迷惑だけれど研究者にとっては、自然の実験となるという意味でありがたい現象を捉え、それが三内丸山の総合文化を創ったのではないかということを発見。土器の形式、花粉の分布、地層と従来別の学問の対象だったものを総合すると見えてくる自然と人の深い関わりが面白い。

サイエンティストライブラリーは岡田節人前館長の第一弟子で日本の発生生物学研究のリーダーである竹市雅俊さん。細胞接着のメカニズム解明というと理屈っぽく聞こえるが、生きもの好きだからこそできた研究と断言。リニューアルしたホームページでの51号からの新しいスタート。更なる広がりと関わりを願っている。

TALK

[地域が育む原点]

町衆がつくる21世紀の文化

大原謙一郎大原美術館 理事長
中村桂子JT生命誌研究館 館長

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SCIENTIST LIBRARY

竹市雅俊理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター長

人生細胞細胞から個体へ 
発生生物学の亜流と本流

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CARD

記事のエッセンスが詰まったカード型の読みもの
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2006年年間テーマ

関わる

「愛づる」、「語る」、「観る」と動詞で考えてきたここ数年。今年は「関わる」です。生きていることは関わることであると言ってもよいでしょう。DNA、RNA、タンパク質などの生体分子も相互の関わり合いが重要です。「細胞社会」という言葉があるように、細胞はすべて相互に関わり合い、話し合っています。個体も同じです。人間の場合、それに加えて意識して作り出す関わりが大事です。言葉によるコミュニケーションです。しかしこの能力をもつが故に生み出した文明は、皮肉なことに時に関わりを絶ちます。どのような文明をつくり、どう生きることが人間の能力を生かすことになるのか。日常から、そして学問から考えていきます。

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レクチャー

2025/1/18(土)

『肉食動物の時間』