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  3. 季刊「生命誌」38号

共通テーマは細胞。個体は美しさや思いがけぬ変化などで気持をうごかすが、肉眼では見えず、日常の世界からは遠い細胞が“愛づる”対象になるだろうか。しかし、だ。“生きる”基本は細胞にあり、それゆえに・・・。今回登場の方々の言葉の端々には自ずと細胞、そして生命を“愛づる”気持ちがにじみ出ている。技術の底に愛づるが置けるかという問いも生れた。

トークは「細胞を愛づる」。岡田前館長が、愛づる心を日本の花鳥風月から細胞培養に至るまで語る。話は古今東西へと広がり、話題はついにエロティシズムまで。リサーチは生命誌の切り口でみた一味違うクローンと再生医療。世代に刻まれる時をゲノムインプリンティングのしくみから考える石野さんと、個体の中で異なる時間軸をつくり出す幹細胞のしくみにとり組む西川さん。共に最先端技術の裏に思想がある。サイエンティストライブラリーは、オルガネラの分裂装置と遺伝のしくみを顕微鏡で描き、真核細胞誕生への思い入れを語る黒岩常祥氏。(中村桂子)

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2003年年間テーマ

愛づる

生きているとはどういうことかを考えるなら動詞でなければならないと気づいて今年から年間テーマを動詞にしました。最初はやはり、研究館が基本にしている「愛づる」です。「蟲愛づる姫君」は皆が嫌う虫の中に生きる本質を見出し、それを愛しみました。愛づるは、表面の美しさには左右されず、本質を見ることから生まれる愛です。いのちは大切と誰もが言いながら、実は社会は反対の方向へ動いています。ゆっくり時間をかけて生きものをみつめると生まれてくる心「愛づる」を思い出しましょう。日本人の中にずーっと流れてきた愛の気持ちです。

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