季刊「生命誌」41〜44号の内容を1冊の本にまとめました。
はじめに
昨年は「愛づる」をテーマにしました。今年は「語る」。共通点は時間です。生きものは時間を紡ぐもの。時間を捨象した科学技術文明社会の中で生きものを基本に考えようとした時、自ずと浮び上ったのがこれらの言葉です。
今、「時間」の大切さを考えている方は増えている。今年も多くの方の協力を得て活動をしてきた実感です。季刊BRHカードと生命誌ジャーナル(Web)をまとめて一冊にしてみて改めてそれを感じています。ここで語られていることの一つひとつをていねいに読んで下さると、そこから大事なことが引き出せるはずです。それぞれの方が、生きものについて、あゝそうなのかとか、これはどうなっているのだろうとか考えて下さるきっかけになることを願っています。
今年は研究館を訪れて下さる方が増えました。しかもさまざまな方が。高校生も大学生もお年寄りも、そして3歳の坊やが、しばしばやってきて「おもしろーい」と言ってくれるのには感激です。残念ながらいらっしゃれない方、この本を通して生命誌研究館を体感して下さい。そしていつか高槻までいらして下さい。
中村桂子
掲載記事
年間テーマをWEBで読むことができます。