サマースクール 2015年度の報告

DNAから進化を探るラボ
「DNAの塩基配列を比較して生きものの進化の歴史を探ってみよう」

今年のサマースクールは、中学生6名、高校生1名、大人の方1名、合計8名の皆さんを迎えて行いました。8名の参加者という大人数のサマースクールははじめての挑戦で、色々と心配がありましたが、何とか無事にサマースクールを終えることができました。ラボのスタッフ一同の努力と参加者の皆さんの協力のお陰です。

今年のテーマも「DNAの塩基配列を比較して生きものの進化の歴史を探ってみよう」と言うことでしたが、例年とはちょっと違うことをしてみました。例年では、我々は予め調べる生きものを決め、参加者の皆さんはそれらのサンプルの解析を行い、得られたDNAの塩基配列データを用いて系統樹を作成するという流れでした。今年は和智奨励研究員の提案で、参加者の皆さんに解析サンプルを持参してもらうことにしました。毎年の参加応募者の皆さんの応募理由を見ると、それぞれ好きな生きものに対する思い入れが強く伝わってくるものばかりでした。サンプルを持参することで、好きな生きもの、或いは興味のある生きもののDNAを解析することができるため、参加者の皆さんの思いに応えることができると同時に、サマースクールの準備段階から参加してもらって、本当に研究したような実感もできるのではないかと考えました。

サンプルの準備方法を伝えることも含めて、参加者の皆さんが持参してくるサンプルをある程度把握するために、和智さんが中心となって表現セクターの藤井さんのご協力のもとで、参加者の皆さんと事前のやり取りを行いました。結果的に、ハエ(2種)、トンボ(2種)、チョウの幼虫、バッタ、アリ、エビ(エビ天)、ダンゴムシ(2個体)とミミズ、合計11のサンプルの解析を行いました。8名の参加者が11のサンプルを解析するので、3名の参加者はそれぞれ2サンプルの解析を行いました。

実験のほうも、今年は少し工夫をしてみました。昨年度からDNA塩基配列の自動決定装置が2台から1台に減ってしまったので、同時に分析できるサンプルの数は32から半分の16になりました。そこで、今年は、解析するDNA断片を例年の約1500塩基対からおよそ1000塩基対に短くしました。そうすることによって、塩基配列決定時のサンプル数を大幅に減らすことができました。それは今年8名の参加者を受け入れることができた理由の1つでもあります。しかし、参加者の人数が増えると、やはり実験の各過程の時間がかかります。1日目の実験はほぼ予定通りの時間で終了できたが、2日目の実験、特に午後のデータ解析と報告準備はかなり慌てていました。いつも、最後に行っていた解析結果の解釈は、時間がとれなかったためにできなかったのは残念でしたが、今後の課題として考えたいと思います。

参加者の皆さんの感想文にもありましたが、「エビ天」からちゃんとDNAがとれて、しかも約1000塩基対の長さのDNA断片もしっかり増幅され、配列も奇麗に決定できたのは、スタッフの我々にとってもちょっと意外な収穫でした。参加者の皆さんも今回のサマースクールできっとそれぞれ何かの収穫が得られたと思いますが、それが今後、何かのお役に立つことができればと願っています。

蘇 智慧(研究員)

参加者の感想

DNAの知識が広がった

参加者:D.A.

僕は今回、部活の顧問の先生の紹介によってこの事を知り、参加させていただきました。サマースクールでは、学校にはない様々な器具を使わせていただいたり、興味深い話を聞かせていただいたりと、普段の生活では体験できないようなことをさせていただきました。話の中には、少し難しい内容の物もありましたが、分かりやすく教えていただいたため、DNAについての知識が広がり、とてもいい経験をさせて頂けました。最後に生命誌研究館のみなさん二日間本当にありがとうございました。

JT生命誌研究館サマースクールに参加して

参加者:K.T.

私の受けたラボは、「DNAから進化を探る」です。受講生が持参した身近な生き物(ハエ、ミミズ、アリ、バッタ、チョウ、トンボ、ダンゴムシ、エビ)からDNAを取り出し、系統樹を作成することにより進化を考えるという内容です。

私が興味深かったことは、DNAを取り出す前に、一人ひとりが系統樹を想定したことでした。各自が、なぜその系統樹を考えたのかを発表しあったことが進化を考えるベースになったと思います。DNAによる実験結果から出た系統樹は、なぜか実際とは違うものとなりましたが、結果が出るまでの行程を十分に楽しむことができました。

スタッフの皆さんの「ざっくばらんさ」と研究に対する「誠実さ」が、とても印象に残る2日間でした。また、ただ一人の大人として、中学生や高校生と一緒になって実験できたことも、喜びでした。

生命誌研究の一端に触れられたひと夏の思い出

参加者:S.K.

この度は、サマースクールに参加させて頂きどうもありがとうございました。

中学校にはない実験道具や機械を実際に見て使用することができ、とても貴重な体験となりました。実験自体は一部失敗してしまいましたが、限られた時間の中、皆で協力して発表までたどり着けたことは、自信につながりました。指導して頂いた蘇先生を初めラボの先生方、参加者の皆さんに心から感謝しています。ランチパーティーも良い思い出になりました。

翌日は館内展示を見学しました。オサムシに関する研究成果を見て、自分の参加した実験の意味の理解が深まりました。また、生物学に対する興味も増してきました。

家に帰り、西川顧問がお話しされたコレクティブインテリジェンスについて調べてみました。まだ、理解困難ですが、色々な分野で研究されている重要な考え方のようです。これから勉強していきたいと思います。中村館長のご著書もいっぱい買いました。少しずつ、読み進めていくつもりです。
最後にお願いです。関東にも生命誌研究館のような施設を、是非造って下さい!

実験、そして発表

参加者:S.B.

ぼくはこのサマースクールを先輩に勧められて参加しました。最初は緊張していましたが、そこではいろいろな初めての体験をすることができ、二日間を有意義に過ごすことができました。サマースクールでは普段はあつかうことのできないような道具を使い、普通はできない実験ができて、それを最終的に発表へとつなげられたのでよかったと思います。この二日間の体験を活かしてこれからもさまざまな活動に取り組んでいきたいと思います。最後になりましたが、生命誌研究館の皆様、この二日間本当にありがとうございました。

研究すること

参加者:K.M.

自分は小さいときから生物が好きで、中でも遺伝に興味があったのでこのDNAから進化を探るラボに参加しました。DNAの増幅装置やシーケンサーなどの普段触ったり見たりすることのないものを使わせてもらえ感動しました。

そして一番感動したのが昼ごはんのエビの天ぷらからDNAを取り出した事です。自分は絶対に天ぷらからDNAを取り出そうなんて考えられないと思いました。それで研究をする人達の発想はすごいと思いました。このような発想の積み重ねが一つの結果になると言う事を改めて学びました。自分もこのような発想力が持てるようになりたいです。

そしてこのような体験をさせていただいてありがとうございました。

今度は大きな昆虫で

参加者:S.S.

今回参加して思ったことは、女子が少ないことです。私が今まで参加した科学関係の体験で、一番女子の割合が少ないと思いました。

もし、また参加できるならDNAでの実験では、小さい昆虫ではなく大きな昆虫を捕まえて解剖もしてみたいです。

中学校には無い、本格的な実験器具を使わしてもらって楽しかったです。施設の方々、二日間ありがとうございました。

貴重な体験

参加者:Y.I.

先日は大変貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。私はDNAから進化を探るラボに参加させていただきましたが、普段は使用しないような道具や機械などに触れることができました。また、ラボで空いた時間を使い、普段の中学校生活では知りえないようなことを学ばせていただきました。ラボの研究員の皆さんもとても優しい方々で、わからなかったところも丁寧に教えてくださいました。時間が間に合わず、最終的な実験の結果は一概に成功と言えるものではありませんでしたが、とても楽しく、興味深いひと時を過ごすことができました。本当にありがとうございました。

いろいろな「こと」

参加者:K.I.

・分かったこと
  実験でわかったことは、トンボは原始的な昆虫だということ。
・面白かったこと
  参加者の自己紹介にいろいろな個性があったこと。
  想像以上に本格的な実験で日頃体験できない実験ができたこと。
  展示室のナナフシがかわいかったこと。
  系統樹を調べる為のアプリがあったこと。
  参加者が学校の先生など幅広かったこと。
  初めての人と実験をし、段々なかよくなれたこと。
  みんなと協力して調べていく過程に達成感があった。
  最終日に他のチームの発表を拝見し 他のチームの実験も面白かった。
・西川先生のお話
  難しいお話を中学生でもわかるようにお話いただいてとても為になりました。

本当に貴重な体験をさせていただきありがとうございました。夏休みの大変貴重な思い出となりました。又虫を観察する視点がかわり、DNAにも興味をもちました。本当にありがとうございました。

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