中村桂子のちょっと一言
中村桂子のちょっと一言
館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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2011.1.5 

【新しい年は改めて日本の文化を】
 
中村桂子館長
 新年おめでとうございます。よいお年をお迎えのことと存じます。今年もよろしくお願いいたします。
 誕生日が昭和11年1月1日、満年齢で数えるようになってもこの日に一つ年を重ねます。子どもの頃は、お正月のおめでとうの陰に隠れてお誕生日のおめでとうが他の兄弟姉妹より小さいような気がして、なんだか損だなあと思っていました。でもこの年になると(何歳であるかの計算はおまかせします)、お正月の陰になっているそっとしたおめでとうが心地よく、よい日に生まれたなあと思います。
 小さなおめでとうの中で迎える新しい年をどんな年にしようかしら。考えています。実は、昨年、ヒョンなことから「万葉集」と「宮沢賢治」をていねいに読み直すという作業をしました。どちらも若い頃関心をもって読んでいましたが、今回改めて読んで、なんてたくさんのメッセージが入っているんだろう、なんて面白いんだろうと思いました。最近は、なんでも「生命誌」とつなげるわけで、これもまたその切り口で読むことになったのですが。細かいことは省略(実は両方共、NHKテレビの仕事でした)しますが、どちらも「日本の自然あっての作品だ」と思います。日本には「古くから自然との関わりの中でみごとな文化を生んできた」歴史があるのです。生物多様性年とか環境問題などと騒がなくても、日本のこの文化のすばらしさに気づき、それを大切にして暮らせばよいのではないかしらと思います。「蟲愛づる姫君」を私の中で再発見した時に、1000年前にこんなすばらしい女性のいた国は他にはないと思いましたが、自然との関わりから生まれたたくさんの宝があるのです。今年も考えていきたいことです。今年もちょっと一言への一言をたくさん書き込んで下さるようお願いいたします。

 【中村桂子】


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