岡田節人名誉顧問のご挨拶

ご挨拶

岡田節人科学技術の人間社会に占める役割が、とてつもなく巨大なものになっている今日ですが、おかしなことに科学の評判は一般的にはあまり高くはないように思われます。つまり、科学は人間からロマンと心を奪う方向のものととられることが多いのです。人間にも直接に訴えるような、心ある科学はあるはずですし、それなしには科学技術の進歩を私たちは安心して享受できないでしょう。わがBRHは、いかに微力であっても、どなたとも一緒に楽しめる科学を呈示することへのチャレンジを試みています。科学はむずかしい、という前提、思いこみをしばらく忘れてみて下さい。だって、かなり難解としか思えない、藝術作品も私たちの心にふれて、接し方によっては私たちに喜び(ときには深い悲しみも)を与えてくれているではありませんか。そこには理屈を越えた心情への訴えがあればこそです。科学にはこうした境地はないことになっています。恥ずかしいことです。本当にそうなのでしょうか。

是非共、一度わが研究館を訪れて下さい。また、当館の展示だけでなく、当館の主催するトーク、見学、それにコンサートのようなイベントものぞいてみて下さい。いうまでもないことですが、当館は原則として一般に公開しています。

2001年10月
JT生命誌研究館名誉顧問 岡田節人

岡田節人先生が2017年1月17日にご逝去されました。
初代館長である岡田節人先生が遺して下さった空気をこれからも大切にしていきます。
岡田先生の遺された空気を大切に」 JT生命誌研究館館長 中村桂子(2017年2月1日)

プロフィール

JT生命誌研究館名誉顧問
兵庫県出身、1927年生。
生物学者・理学博士。京都大学理学部卒。
京都大学教授、岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所所長、同機構長、国際生物科学連合副総裁等を歴任。
1989年に国際発生生物学会からハリソン賞を日本人として初めて受賞。
1995年度文化功労者の顕彰、
1998年勲二等旭日重光章を受けた。
京都大学、基礎生物学研究所、総合研究大学院大学それぞれの名誉教授。
1993年から2002年3月までJT生命誌研究館館長。

著書リスト

  • 『細胞の社会』(講談社ブルーバックス)
  • 『生命科学の現場から』(新潮社)
  • 『生命体の科学-テクノロジーと文化』(人文書院)
  • 『からだの設計図』(岩波新書)
  • 『生物学個人授業』(南伸坊と共著)(新潮社)
  • 『生物学の旅-始まりは昆虫採集!-』(新潮社)
  • 『アルマ・マーラーに恋した生物学者-生命の響き』(哲学書房)

サイエンティスト・ライブラリー

ルイセンコの時代があった-生物学のイデオロギーの時代に-

~季刊誌「生命誌」に連載のサイエンティスト・ライブラリーで、岡田節人名誉顧問が自身の人生を辿りながら文化を語ります。

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