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2024.08.30

キアゲハの蛹化について

ちびこ

子どもがキアゲハの幼虫を育てています。

1頭、幼虫の段階から6本の脚のうち1本が不足、2本がうまく動いていないようで成長がゆっくりでした。
他の個体より日数をかけて蛹化しましたが、おそらく脱皮の途中で糸が体に引っかかってしまい、一部捲れた状態(中が見える)で蛹になりました。

めくれて中が見える状態でしたが、たまに動くため、見守っていたところ、蛹化10日で羽化直前のように翅の模様が透けてきました。

蛹の内部が見えており、頭の部分と胴体は離れた状態ですが、蛹化が進むのがとても不思議です。蛹の中はどのような仕組みなのでしょうか。
ご教授いただければ幸いです。

2024.08.30

1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)

蛹の中で起きる、形の大きな変化はとても不思議な現象ですね。

中が見える状態であっても、発育が進んでいるのでしたら羽化できる可能性があると思います。

完全変態の昆虫は、幼虫と成虫の形が全く異なることから、「一旦ドロドロに溶解した状態になって作り替えられる」といった説明がされることもよくありますが、実際には幼虫の時からすでに、この部分は成虫のこの部分になるということが決まっている場所(成虫原基)があります。
蛹の中では、成虫原基を起点として、成虫の翅や脚や触覚など、各組織が作られていきます。

脊椎動物の場合、体から切り離された部分はすぐに機能をしなってしまいますが、無脊椎動物の場合はしばらくの間機能を維持します。例えば、チョウの前脚を切り取っても、その後1時間から2時間程度は前脚の神経細胞の活動を記録する実験を行うことが可能です。体の他の部分とつながっていない「部品」のような状態でも機能しますので、蛹の中では発育が進むのではないかと思います。

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